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【毎日易経】『序卦伝』音読

公開日: : 易経 , ,

『易経』音読Tweetまとめ 『序卦伝』編

『易経』の十翼の一つ『序卦伝』。
六十四の卦の順序がなぜこのようになっているのか・・ということを示す解説ですが,別の見方をすると,それぞれの卦の特徴を端的に表しているとも言えます。
一通り見ることで全体的な流れを感じることができます。

序卦伝(2014.11.17〜2015.1.18)

なお,底本は『易経〈上〉』『易経〈下〉』(岩波文庫)を使っています。

【毎日易経】天地ありて然るのちに万物生ず(易経序卦伝)「序卦伝」は十翼,すなわち易経の解説書の一つで,卦の並びについて説かれる。易経は,乾と坤,つまり天と地から始まる。陰陽が相交わって万物が生成される,その働きをいう。そして万物が満ちることから,屯に続く。#易経

【毎日易経】屯とは物の始めて生ずるなり(序卦伝)天地(乾坤)から万物が生じて,天地間に物が満ちる。それを屯が受ける。屯の文字は,種から芽が出ようとしている様。硬い殻を破って出ようとする,困難さも同時に表している。物の始めはまだまだ無知な状態。それゆえ「蒙」で受ける。#易経

【毎日易経】蒙とは蒙(おろ)かなり。物の稺(おさな)きなり(序卦伝)屯が物の始まりで,始まりはまだまだ知識,経験がなく蒙昧な状態であるという。蒙はおろかでおさないという。だから何もできないので,養わないわけにいかないので,次の需につながる。#易経

【毎日易経】需とは飲食の道なり(序卦伝)蒙はおさないので養わないわけにいかないからと,需で受ける。需は養い育てる道,つまり飲食を表す。需は雨が降るのをじっと待つ象で,あせらずじっくり飲食しながら待つからである。#易経

【毎日易経】訴えには必ず衆の起こるあり(序卦伝)飲食に関する需を,「天水訟」が受ける。人は飲食によって必ず争いごとを起こし,つまり「訴え」に通ずるからである。そして訴えには多くの人が関係することになる。双方の当事者,利害関係者,間に入って整理する人・・#易経

【毎日易経】師とは衆なり(序卦伝)師は衆,つまり人が大勢集まることである。だから「比(親しむ)」が続く,となる。地水師は衆でも特に軍隊・兵卒を表す。軽々に用うるべきものではなく,貞正かつ慎重,謙虚な判断が求められ,率いるだけの度量も必要。#易経 #地水師

【毎日易経】比とは比(した)しむなり(序卦伝)水地比は,第五爻の一陽が衆隠を率いているところから,人々が比(した)しみ,輔(たす)けあうという「比輔順従」の象ととる。また坎(水)が坤(地)とぴったりくっついている象とも見られる。#易経 #水地比

【毎日易経】物蓄えられて然る後に礼あり(序卦伝)風天小畜の卦。水地比の逆で,こちらは一隠が五陽を引き止める。力が弱いので「少し」蓄えるとなる。物が蓄えられるようになれば,礼節を整えなければならない。それゆえ次は「天澤履」が続く。#易経 #風天小畜

【毎日易経】履(ふ)みて泰,然るのちに安し(序卦伝)天澤履は,人の常に踏むべき道,つまり礼節を教える卦。「虎の尾を履むも人をくらわず,亨る」とあるが,剛強の人に対しても礼を失わず,柔順な態度で接していれば危ういことはないという。それゆえ泰(地天泰)につながる。#易経 #天澤履

【毎日易経】泰とは通ずるなり(序卦伝)天澤履を受けて地天泰が続く。地天泰は上に地(陰),下に天(陽)があって一見逆に見えるが,それゆえ陰陽が相交わり,万物が生まれ,バランスが取れる。よって「安泰」となる。泰は通じるのだが,いつまでもそうならず天地否につながる。#易経 #地天泰

【毎日易経】物はもって否に終わるべからず(序卦伝)通じる「地天泰」を受けて,通じない「天地否」につながるが,それでも物事は否塞(塞がった状態)のままで終わることはない。だから次は「天火同人」で受ける。「変わる」を旨とする『易経』の基本的考えがよく伝わる一節。#易経 #天地否

【毎日易経】人と同じくする者は物必ずこれに帰す(序卦伝)天地否を受けて天火同人が続く。同人は人と同ずる,和同する意味。人と同じ道を歩もうとするところにはものが喜んで帰服する,という。よって火天大有がそれを受ける。#易経 #天火同人

【毎日易経】大を有するものはもって盈(み)つるべからず(序卦伝)大いに所有する意味の「火天大有」。大いなる成果を保有していても,驕慢になってはならないという戒めから,次に地山謙を配する。火天大有は,火が天の上にあり,太陽が遍く照らす象。#易経 #火天大有

【毎日易経】大を有して能く謙なれば必ず豫ぶ(序卦伝)「火天大有」を受けて「地山謙」が続く。謙は謙遜,へりくだる。地の下に山が潜り込むほど,低い姿勢でいる様子からきている。それだけの謙虚な心をもっていれば,必ず豫びにつながる。よって「雷地豫」に続く。#易経 #地山謙

【毎日易経】豫べば必ず随うことあり(序卦伝)「雷地豫」は豫楽,喜び楽しむという意味。雷が地上に出てあたりを振い動かしている。「地(坤)」は道理。道理に順って動く(震)ので,そこに「澤雷随」が続くのである。#易経 #雷地豫

【毎日易経】喜びをもって人に随う者は必ず事あり(序卦伝)喜びを得る人には必ずなにがしか付き従うものが出てくるという。それゆえ雷地豫には澤雷随が続く。随は随従。雷が沢の中にひそんで時の流れをじっと待つ,時に随うところからとる。#易経 #澤雷随

【毎日易経】蠱とは事なり(序卦伝)澤雷随につながるのは山風蠱である。蠱は,蟲が皿の上にあるようす。食物が腐って虫が湧く,すなわち事態が腐乱,崩壊している状態である。人が喜んで随うのはいいが行き過ぎるとそういう事態になるという。#易経 #山風蠱

【毎日易経】臨とは大なり(序卦伝)山風蠱に地澤臨が続く。臨は,河岸(地)が水沢(沢)に臨むところから。大きいという意味があり,物は大きくてこそ観る価値が有るということで,風地観が続く。ちなみに地澤臨の初九「咸じて臨む」が「咸臨丸」の由来。#易経 #地澤臨

【毎日易経】観るべくして後に合うことあり(序卦伝)臨を受けて風地観がくる。観るに価するようになれば、多くの人がこれに合流するようになる。観は示す、または仰ぎ見るという意味。古代の聖王は四方を見渡して、民の風俗を観察し、政教を設けた。#易経 #風地観

【毎日易経】嗑(こう)とは合なり。物もって苟も合うのみなるべからず(序卦伝)火雷噬嗑は,「噬み嗑わす(噛み合わす)」の意味。ただ,「合う」内容が真心のこもらない付和雷同なものではならない。だから山火賁(かざる)が続くのである。#易経 #火雷噬嗑

【毎日易経】賁とは飾るなり。飾りを致して然る後に亨れば尽く(序卦伝)山火賁は「飾る。美しくする」の意味。しかし飾って美しくするのはいいが,それだけではやがて実質が尽きてしまう。よって剥が続く。装飾は重要だが度が過ぎることを戒めている。#易経 #山火賁

【毎日易経】剥とは剥ぐなり。物もって尽くるに終わるべからず。剥ぐこと上に極まれば下に反る(序卦伝)山火賁に続く山地剥。これは下から陰が成長して最後の爻だけが陽となってる卦。まさに「剥ぎ取られる」直前。しかし完全に剥ぎ取られて陰ばかりになれば地雷復からまた始まる。#易経 #山地剥

【毎日易経】復(かえ)れば妄(みだ)りならず(序卦伝)山地剥から坤為地(全て陰)を経て,また下から一陽が伸びるのが地雷復。暦では冬至にあたる。ここからまた陽が伸びるのだが,伸び始めればみだりに道をふみはずすことはないと天雷无妄が続く。#易経 #地雷復

毎日易経】无妄ありて然る後に蓄うべし(序卦伝)「天雷无妄」は自然のままにして真実であることを意味する卦。天道の真ん中を自然のままに進めば,誠実の徳が積み重なる。だから次は山天大蓄が続く。天雷无妄の卦のもとでは,貞正さが常に求められる。#易経 #天雷无妄

【毎日易経】物蓄えられて然るのちに養うべし(序卦伝)天雷无妄を山天大蓄が受ける。大蓄は艮(山)によって乾(天)を引き止める。艮も乾も陽卦なので,陽によって陽を拘束する,つまり大いに蓄える力があるので大蓄なのである。物事は大いに蓄積してこそ養うことができるという。#易経 #山天大蓄

【毎日易経】頤とは養うなり。養わざれば動くべからず(序卦伝)山天大蓄を受けて山雷頤。頤は「おとがい」,つまり顎。上下の二陽が四つの陰を挟む形を口を開けた様子に見立て,それから「養う」の意味となる。身体と精神に適したものを吸収し,養うべきだという卦。#易経 #山雷頤

【毎日易経】物もって過ぐるに終わるべからず(序卦伝)山雷頤を受けて澤風大過が続く。大過は四つの陽を,上下の陰が挟んでいる形で,中の勢いが激しすぎるほど。それゆえ棟木が撓む形に捉える。形は良くないが,陽の位置は中正なので剛が過ぎてはいるが貞正を保てば良い。#易経 #澤風大過

【毎日易経】坎とは陥るなり(序卦伝)澤風大過を受けて坎為水。習坎とも呼ぶ。習は重ねる,坎は険,陥るの意味。険難が重なるという相当の困難を伴う状況。易経四大難卦の一つ。難卦はすべて水(坎)に関わる。その困難からどう回復するか。続く離(麗)で回復する。#易経 #坎為水

【毎日易経】離とは麗(つ)くなり(序卦伝)坎為水を受けて,離為火が続く。坎によって陥った事態から抜け出すのは,何かに付着してことだということで離為火が続く。離は一陰が二陽に付着していることから,離は麗く,という卦象をとる。人と人との付き合いも貞正さが肝要である。#易経 #離為火

【毎日易経】離とは麗(つ)くなり(序卦伝)坎為水を受けて,離為火が続く。坎によって陥った事態から抜け出すのは,何かに付着してことだということで離為火が続く。離は一陰が二陽に付着していることから,離は麗く,という卦象をとる。人と人との付き合いも貞正さが肝要である。#易経 #離為火

【毎日易経】恒とは久なり(序卦伝)澤山咸を受けて雷風恒が続く。恒は恒久不変の意味を持つ。形としては,震(雷・長男)が巽(風・長女)の上におり,男尊女卑かつ,男が外卦,女が内卦と,「あるべき姿」を取っていることを良しとし,この恒久不変を守れば亨る,という卦である。#易経 #雷風恒

【毎日易経】遯とは退くなり(序卦伝)雷風恒は恒久不変を表す卦。物事は久しく止まってるわけにいかないので,「退く」「退避」を意味する天山遯が続く。下から二つの陰が伸びてきて,陽が逃げつつある卦。陽としては早めに逃げをうち,安定を図るを良しとする。#易経 #天山遯

【毎日易経】物もって遯に終わるべからず。故にこれを受くるに壮をもってす(序卦伝)雷天大壯は,大なる者が壮(さか)んだという意味。一陽来復でようやく伸び始めた陽が第四後爻まで至ったもの。盛んになりすぎるのもまたよくない。調子に乗りすぎないようにというのは易経の常。#易経 #雷天大壯

【毎日易経】晉とは進なり。進めば必ず傷(やぶ)るるところあり(序卦伝)雷天大壯をうけて火地晉。火が地上に進むところから「進む,上進」を意味する。君子はこの卦象に則り,自ら明徳を明らかにして人民に仰ぎ見られるよう貞正を保つべしという。#易経 #火地晉

【毎日易経】夷とは傷(やぶ)るるなり(序卦伝)進む意の火地晉を受けて,地火明夷。明夷は「明るいものが夷(やぶ)れ,傷つく」という意味。日が地下に潜り,地上は昏冥状態であることを示す。賢者の明徳が傷つく時期であるから,君子としては,艱難を耐えしのび貞正を保つ時期。#易経 #地火明夷

【毎日易経】家道窮まれば必ず乖(そむ)く(序卦伝)地火明夷では夷(やぶ)れ傷つき,傷ついたものは家に戻る。よって風火家人で受ける。家人は一家の人という意味。男と女が正位にいて家がよく治る象にとる。特に家内の人,女性が貞正であることをよしとしている。#易経 #風火家人

【毎日易経】家道窮まれば必ず乖(そむ)く(序卦伝)地火明夷では夷(やぶ)れ傷つき,傷ついたものは家に戻る。よって風火家人で受ける。家人は一家の人という意味。男と女が正位にいて家がよく治る象にとる。特に家内の人,女性が貞正であることをよしとしている。#易経 #風火家人

【毎日易経】蹇とは難なり(序卦伝)火澤睽を受けて水山蹇。水山蹇は四大難卦の一つ。水(坎)を見て止まる(山・艮)という卦象。行き悩んで進まない状態であるが,君子としてはひたすらに我が身を省み,道徳を積み,収用することを心がける。それが雷水解に繋がる。#易経 #水山蹇

【毎日易経】解とは緩なり(序卦伝)二進も三進もいかない水山蹇の状態から,難が解ける雷水解につながる。水は坎。陥る状態。それが雷によって動く。動けば険難が解けるという。どんなに困難な状態であってもいずれ動くのである。#易経 #雷水解

【毎日易経】損して已まざれば必ず益す(序卦伝)雷水解を受けて山澤損。山澤損は,減損,減らすという意味。下のもの,臣や民から減らして,上に益する卦象。君子に徳がなければなすことはできない。また損し続ければやがて得するようになるということで,風雷益が続く。#易経 #山澤損

【毎日易経】益して已まざれば必ず決す(序卦伝)山澤損を受けて風雷益。風雷益は上を損して下を益す。下が厚ければ,上もまた安らかでいられる。民にとっては喜ばしい状況。しかしそれだけではいずれまた決壊する。よって澤天夬で受ける。#易経 #風雷益

【毎日易経】益して已まざれば必ず決す(序卦伝)山澤損を受けて風雷益。風雷益は上を損して下を益す。下が厚ければ,上もまた安らかでいられる。民にとっては喜ばしい状況。しかしそれだけではいずれまた決壊する。よって澤天夬で受ける。#易経 #風雷益

【毎日易経】姤(こう)とは遇なり。物相い遇いて後に聚(あつま)る(序卦伝)決別の澤天夬を受けて天風姤。天風姤は遇うという意味。一陰生じて五陽に遇う。しかし女一人で男五人を相手にするような不貞の女は娶ってはならないともいう。遇えば集う。よって澤地萃につながる。#易経 #天風姤

【毎日易経】萃とは聚なり(序卦伝)天風姤を受けて澤地萃。萃は聚(しゅう)つまり「集まる」の意味。沢の水が地上に集まって物を潤すという卦象。地は順う。沢は説び。人々が従って悦ぶのだから亨る。しかしもちろん貞正であるべきことはいうまでもない。#易経 #澤地萃

【毎日易経】聚りて上るものはこれを升(のぼ)ると謂う(序卦伝)澤地萃を受けて地風升。地中に木(巽)が生じて成長し,天に升ることから「昇」,進み升(のぼ)ると取る。君子は道徳に従いこつこつと徳を重ね,やがて大きく高い地位に就く。#易経 #地風升

【毎日易経】升(のぼ)りて已まざれば必ず困(くる)しむ(序卦伝)地風升を受けて澤水困。困は困窮,困(くる)しむの意味。沢に水がない困窮欠乏状態。このような状況では君子の声は誰にも届かない。ここはじっと忍耐,沈黙を守り貞正を保つべきである。#易経 #澤水困

【毎日易経】井道は革(あらた)めざるべからず(序卦伝)澤水困を受けて水風井。澤水困は澤に水がなく困る卦。水風井は木(風)を水に入れ水をあげる卦象。村(邑)の中心にあって生活を支えるのが井戸。井戸はそのまま止まっていては澱んでしまう。改めるべき澤火革に続く。#易経 #水風井

【毎日易経】物を革(あらた)むるものは鼎(かなえ)にしくはなし(序卦伝)水風井を受けて澤火革。沢(水)と火。相争い減息する卦象から,革新・革命の意味を持つ。そして,革新,革命を起こすには,生の物を煮る,熱を加える「鼎」が最も適していると,火風鼎が続く。#易経 #澤火革

【毎日易経】器を主(つかさ)どる者は長子にしくはなし(序卦伝)火風鼎の鼎は,煮炊きに用いる器。君主は鼎を用いて神に祭る。したがってその器の扱いをつかさどるのは,長男がもっとも適している。よって火風鼎に続いて震為雷が続く。#易経 #火風鼎

【毎日易経】震とは動くなり(序卦伝)火風鼎を受けて震為雷。震は家族に例えれば長男を表す。それゆえ鼎を扱うべきは長子ということで震が続く。震は雷鳴,震動。しきりに雷がなり地が動く。しかしいつまでも動いているわけにいかず,続くは艮為山。#易経 #震為雷

【毎日易経】艮とは止(とど)むるなり(序卦伝)震為雷を受けて艮為山。震は動く。動いたままということはないので,止まる意味の艮が続く。艮為山は山が重なり合って落ち着き安定した様子。君子もそれにならって心を落ち着け,自分の地位を超えた欲心を起こさないことである。#易経 #艮為山

【毎日易経】漸とは進むなり(序卦伝)艮為山を受けて風山漸。艮は「止まる」。止まるばかりではいかないので進む。よって漸。漸進は少しずつ進む意味。山(艮)の上に木(巽)があり少しずつ成長する,つまり,正しい順序を経て少しずつ進むのは,女性が嫁ぐ場合に殊に吉である。#易経 #風山漸

【毎日易経】その帰する所を得る者は必ず大なり(序卦伝)風山漸を受けて雷澤帰妹。帰妹は年少の娘(妹)が帰ぐ(嫁ぐ)という意味。下卦が末娘,上卦が長男を示している。女が男に嫁ぐのは道理にかなっている。道理にかなうことをするものは得るものが必ず大きくなる。#易経 #雷澤帰妹

【毎日易経】豊とは大なり(序卦伝)雷澤帰妹を受けて雷火豊。豊は豊大,盛大の意味。下卦の離(火・明)が上卦の震(雷・動)で動く。勢いが盛大であり,だからこそ「亨る」。君子はこの徳を受け,勢いを保つことを心がけるべきという。#序卦伝 #雷火豊

【毎日易経】旅して容(い)るる所なし(序卦伝)雷火豊を受けて火山旅。山上の火が次々と燃え移って一箇所に止まらないところから「旅」。「容るるところなし」とは旅先ではなかなか人に受け入れてもらえないという意味。かつての「旅」は不便極まりないもので楽しみではなかった。#易経 #火山旅

【毎日易経】巽とは入るなり(序卦伝)火山旅を受けて巽為風。巽は,巽順,従って入るという意味である。巽は一陰が二つの陽に下って従う姿。旅先では受け入れられない(火山旅)ところを,まずは人に従って入るところを心掛けよということで,巽為風がつながるのである。#易経 #巽為風

【毎日易経】兌とは説(よろこ)ぶなり(序卦伝)巽為風を受けて兌為澤。兌は説(よろこ)ぶの意味。一陰が二陽の上にあって,喜びは外に出ている様子をみる。兌は「沢」であり,二つの沢が重なれば当然潤う。人・友と潤いを与え合うような良好な人間関係を築けば向上する。#易経 #兌為澤

【毎日易経】渙とは離るるなり(序卦伝)兌為澤は説び。その説びによって,心が解きほぐれる。それゆえ風水渙で受ける。渙は渙散,散らすという意味。風が水上を渡って水を吹き散らす卦象。君主はこの卦象に則り,散った先帝の御霊を集め鎮めることで天下人心の離散を防いだ。#易経 #風水渙

【毎日易経】節してこれを信ず(序卦伝)風水渙を受けて水澤節。節は節制や節度などの意味。澤に水があるが,その容量には限度があるところから「節」。どんな物事にも「節度」というのがある。君子は程よい節度を心がけるべきという。貞節など「節」は易経ではおなじみの字。#易経 #水澤節

【毎日易経】その信ある者は必ずこれを行う(序卦伝)水澤節を受けて風澤中孚。中孚は心中に孚(まこと)があるということ。誠意のある者は必ず言ったことを実行する。君子は心に孚誠をもち,それによって人々を観応させることに努め,天道に応じるよう心がけるべきである。#易経 #風澤中孚

【毎日易経】物に過ぐることある者は必ず済(な)す(序卦伝)「風澤中孚」を受けて「雷山小過」。中孚は心に誠ある者。誠意さえあれば多少やりすぎても物事は成しとげられる,ということから小過で受ける。言い換えれば,小なる物が過ぎる時には心に貞正がなければならない。#易経 #雷山小過

【毎日易経】物は窮むべからざるなり(序卦伝)雷山小過を受け水火既済。過ぎるぐらいのものこそ,事を済(な)すから既済が続く。しかし,そのままではまた行き詰まってしまう。だから完成ではない形で終わらせる。火水未済で『易経』が終わるのはそのためである。#易経 #水火既済 #火水未済

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