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【毎日易経】『易経』音読3周目

公開日: : 易経 , ,

『易経』音読Tweetまとめ連続投稿第3弾

先ほどの『繋辞伝』『序卦伝』に続いて,六十四卦の音読分のまとめです。

【毎日易経】易経音読3周目 2015年1月19日から6月9日

なお,底本は『易経〈上〉』『易経〈下〉』(岩波文庫)を使っています。

【毎日易経】乾は,元いに亨りて貞しきに利ろし(乾為天)乾為天は,全てが陽爻,純陽の卦。天をイメージする。占筮でこの卦が出た場合は,その願いは大いに叶うであろう。ただし,貞正を保つべきであることはいつものことである。#易経 #乾為天 序卦伝が終わったのでまた始めから音読します。

【毎日易経】彖に曰く,大いなるかな乾元,万物資りて始む。すなわち天を統ぶ(乾為天・彖伝)乾は六爻全てが陽。純陽にて,大いなる力を発揮する卦。万物は全てここから始まる。いうなれば天を統一するような働きが乾のもつ徳である。この気はやがて雲を起こし,雨を降らせる。#易経 #乾為天

【毎日易経】天徳首たるべからざるなり(乾為天・象伝)用九の言葉。純陽の強すぎる天徳を頼みにして,人の上に立たないように・・と戒めている。自らが先頭に立つのではなく,周りを立てていく。それこそが徳のあるものの姿というべき。#易経 #乾為天

【毎日易経】元は善の長なり(乾為天・文言伝)文言伝の第一節では,乾の四つの徳「元亨利貞」について解説する。元は,その全ての始まりである。だから「善」という人間の徳の中でも最初のものの長であるという。そして仁をあらわすものは人の上に立つに足る。まさに君主の徳。#易経 #乾為天

【毎日易経】竜徳ありて隠れたる者なり(乾為天・文言伝)初九の「潜竜用うるなかれ」の解説。潜竜は,竜のごとき聖賢の徳を持ちながらそれを隠している人のこと。いたずらに世の栄華を求めず,世間から身を隠し,人に認められなくても憂うることない,確乎不抜の人物を指す。#易経 #乾為天

【毎日易経】竜徳ありて正中なる者なり(乾為天・文言伝)九二の「見竜田に在り」の解説。孔子は,竜徳があって正中な者だという。すなわち常日頃の言葉に信があり,行為を謹み,邪心を防ぎ誠実であり続ける。善行を施しても世間に誇らない。下位にあるが君徳に優れた人である。#易経 #乾為天

【毎日易経】君子は徳に進み,業を修む(乾為天・文言伝)九三「君子終日乾乾し,夕べに惕若たり」の解説。君子は真心を尽くして徳を進め,また言葉を整え誠意を立てることで業を修める。日々物事を前に進めるのに全力を尽くし,役目を果たしたらすっと身を引く。君子の身の処し方。#易経 #乾為天

【毎日易経】上下すること常なきも,邪をなすにはあらざるなり(乾為天・文言伝)九四「あるいは躍りて,あるいは淵に在り」の解説。九四の龍は上下する。一見して上下が定まらないように見えるが,それは邪な狙いではない。君子として上下しつつ時を伺っているのである。#易経 #乾為天

【毎日易経】同声相い応じ,同気相い求む(乾為天・文言伝)九五「飛龍天に在り,大人を見るに利ろし」の解説。声や気を同じくするものは,互いに応じ,求めあう。水は湿気,火は乾燥に,雲は龍,風は虎に。物事が成り立つには同じ気,同じ思いを持った者が集まり共鳴してこそ。#易経 #乾為天

【毎日易経】貴くして位なく,高くして民なく,賢人下位に在るも輔くるなし(乾為天・文言伝)上九「亢竜悔いあり」の解説。九五が君子の位。上九は隠居の立場。よって貴いが地位はなく,治めるべき民もいない。補佐する者もいない。そういう立場では動いては悔いがでるということ。#易経 #乾為天

【毎日易経】見竜田に在りとは,時捨つるなり(乾為天・文言伝)文言伝の第三節。各爻辞の解説が続く。九二「見竜」が「田に在る」のは「時捨つる」,つまり「機会に恵まれないからだ」という。潜竜からいよいよ地上に出たものの,まだまだこれからなのが見竜である。#易経 #乾為天

【毎日易経】終日乾乾すとは,時とともに行うなり(乾為天・文言伝)文言伝第四節。九三の「終日乾乾す」というのは,然るべき時に応じて努め行うことだと解説する。潜竜,見竜を経ていよいよ飛び上がる準備を整える段階。だからこそ努力を怠らないのである。#易経 #乾為天

【毎日易経】大なるかな乾や,剛健中正,純粋にして精なり(乾為天・文言伝)第五節は彖伝の解説。乾は全てが陽。乾の徳は元亨利貞。全てを生み,育み,しかも貞正を失わない。それだけの徳を持ちながらも,その利する所を口にしない。なんと偉大な徳であろう。#易経 #乾為天

【毎日易経】天に先立ちて天違わず,天に後れて天の時を奉ず(乾為天・文言伝)第六節。九五飛竜は大人。大人は天地とその徳を同じくしており,天に先立って行動しても天道の法則を外さず,天に後れて動いても天道の法則を遵奉している。間違いは起こらないのである。#易経 #乾為天

【毎日易経】貞に安んずるの吉は,地の疆りなきに応ずるなり(坤為地・彖伝)坤為地は全てが陰徳の卦。全陽の乾為天が限りない恵みを大地に与え,坤為地はその全てを受け入れ,万物を育んでいく。人も,与えられたものを限りなく受け止めていくことが地の徳に沿うこととなる。#易経 #坤為地

【毎日易経】章(あや)を含みて,貞にすべし(坤為地)章(あや)とは,才能,才覚のこと。才能をひけらかすことなく,しかるべき時までそれを隠せという。坤為地はいわば臣下の道。臣下は才能をひけらかさず,じっと命令に忠実であれという。#易経 #坤為地

【毎日易経】君子は黄中にして理に通じ,正位にして体に居る(坤為地・文言伝)文言伝の各爻辞の解説のうち第五爻について。道理に通じて,高い位にありつつも,陰徳の者の分際もわきまえる。美徳をうちに秘める徳の高さをいう。坤は常に陰,受容,従順の徳。#易経 #坤為地

【毎日易経】屯は剛柔はじめて交わりて難生じ,険中に動くなり(卦辞)水雷屯は事の始まりの困難を示す。芽が出ようとしてなかなか出られない姿。何事も最初は意見をまとめるまでに時間がかかり困難を伴う。しかしそれを乗り越えてこそ進展,発展があるのである。#易経 #水雷屯

【毎日易経】磐桓たり。貞に居るに利ろし。侯を建つるに利ろし(爻辞)磐桓とは進み難く悩むようす。屯は芽が出ようとしてなかなか出られないようす。初爻は陽剛居正もののなかなか進めないようす。物事の最初は困難を伴うもの。まずは貞正であることを心がけよ。#易経 #水雷屯

【毎日易経】我より童蒙に求むるにあらず。童蒙より我に求む(卦辞)山水蒙は「無知蒙昧」の「蒙」。まだ幼く学ぶべき立場にあるものから「学びたい」と思ってやってきてこそ啓蒙がなる。師匠の立場から押し付けても学びは進まない。学びは己の中から発するものである。#易経 #山水蒙

【毎日易経】童蒙,吉なり(爻辞)童蒙は,幼く愚かな状態ではあるが,吉だという。なぜなら六五は柔順で謙遜であり,九二の師匠を得ている。素直に師の教えに順うのであれば,吉となる。蒙昧なことが問題ではない。学ぼうとする姿勢があれば,やがて吉となる。#易経 #山水蒙

【毎日易経】需は,孚あり。光いに亨る(卦辞)水天需は,時を須(ま)つ(=待つ)という意味。水天需は上卦は水(険)であるが,九五が剛健中正で孚(誠)の徳が内にある。よって,おおいに亨るという。険難があろうとも,貞正を保ち,徳を内に持てばよろしいという。#易経 #水天需

【毎日易経】郊に需(ま)つ(爻辞)水天需は「需つ」。上卦の険難に少しずつ近づく。初九は郊外の「郊」。まだ険難から遠い位置。危難から離れたところで,じっと待っていればよろしい。その後,沙,泥,血・・・と近づくことになるが,それぞれに保つべき徳,態度が示される。#易経 #水天需

【毎日易経】天と水と違い行くは訟なり(象伝)天水訟は訴訟を表す。上卦に天,下卦に水。天は上に向かい,水は下に向かう。これでは行き違ってしまう。その食い違いが訴訟のもとである。君子たるもの物事の始めにはそのようなことがないようしっかり諮るべきである。#易経 #天水訟

【毎日易経】事とするところを永くせざれば,小しく言あるも,終には吉なり(爻辞)初六。陰柔居下,下のものが上を訴えるのだから,正義がこちらにあっても勝てるものではない。あまりことを長引かせなければ,少々はいさかいがあっても終わりは吉。訴訟に臨むときの取るべき態度。#易経 #天水訟

【毎日易経】師は,貞なり。丈人なれば吉にして咎なし(卦辞)「師」とは軍隊,兵のこと。これは軽々に動かすものではなく,慎重を持って然るべし。したがって扱うものが丈人(老成した者)であればよい。そうでなければ国家にとって大変な損害となる。#易経 #地水師

【毎日易経】長子師を師(ひき)ゆべし(爻辞)六五は、君子の立場で、軍隊では兵に指示を出す立場。軍を率いる役目を誰にさせるか。それは長子であるべきだという。この卦では唯一の陽爻の九二が当たる。その弟分の六三、六四のような者に役目を与えては結果は凶と出る。#易経 #地水師

【毎日易経】比は吉なり。比は輔(たす)くるなり。下順従するなり(彖伝)比は「親しむ」の意。人々が互いにしたしみあい,助け合うという意味。卦には九五のみ陽爻があり,中正を得ている。この一爻に他の陰が従っている。この状態が保たれれば,吉である。#易経 #水地比

【毎日易経】孚有りて缶(ほとぎ)に盈つるごとくなれば,終に来りて它(た)の吉あり(爻辞)初六の辞。缶(ほとぎ)は質素な器。它は「その他」。心の誠が,器に水が満ちるように満ち満ちていけば,ついには予想外の吉が訪れるという。人との付き合いは誠意をもってせよ。#易経 #水地比

【毎日易経】小畜は亨る。密雲あれど雨降らず(卦辞)小畜は一陰が五陽を率いる形。密雲とは陰気の凝集を指す。第四爻の陰は正位を得て正応も得ており,さらにこれから上昇,やがて陽気と和して雨を降らすにいたるであろう。だから亨るという。#易経 #風天小畜

【毎日易経】既に雨ふり既に処る。徳を尚(たっと)びて載つ(爻辞)上九は,「密雲」が集まりすでに雨が降るだけの状況に至った段階。唯一の陰徳を大切にし,陰徳が満ち満ちた結果である。ただし,陰徳は陰徳。陽をしのぐことはよくないので,そこは貞正に勤めるべし。#易経 #風天小畜

【毎日易経】履は,柔にして剛を履むなり(彖伝)天澤履は「虎の尾を履む」が有名。上卦に天(剛)があり,下卦に兌(柔)がある。ちゃんと上下の区別が出来ていること。また,兌は悦び。悦んで天(乾)に応じている,礼にかなっているので,亨る卦である。#易経 #天澤履

【毎日易経】素履す。往くも咎なし(爻辞)初九。陽剛居下。能力があるのに低い地位に置かれたままの人のこと。素直に我が道を進む(履む)。つまり人にかかずりあうことなく,やるべきことを成し遂げようとするので,咎はないという #易経 #天澤履

【毎日易経】后もって天地の道を財成し,天地の宜を輔相し,もって民を左右す(象伝)地天泰は陰陽が相通じて亨る卦。財成は物を作り出し,輔相は足らずを埋める。君子はそのような行いで,民の生活がバランス良く立ちゆくように進める。それが安泰へと通じる。#易経 #地天泰

【毎日易経】平かなるものにして陂かざるはなく,往くものにして復らざるはなし(爻辞)地天泰の九三は,下卦の最上位で「安泰」の極み。最も安定した状態と言えるが,それは傾きの始まりとも言える。そのことを良く承知し,貞正の態度を保てば咎はないという。 #易経 #地天泰

【毎日易経】否はこれ人にあらず。君子の貞に利ろしからず(爻辞)天地否は地天泰の逆。上卦の陽と下卦の陰が相通ぜず,否塞,すなわちふさがった状態。このような時は君子も才徳をひけらかすことなく万事控え目に行動し,外からの難を避けるようにすべき。#易経 #天地否

【毎日易経】初六。茅を抜くに筎たり。その彙(たぐい)と似にす。貞なれば吉にして亨る(爻辞)茅は他と根が連なっていて,引くとごそっと連なって抜ける。否塞の爻だが,志が君主(九五)に向かう貞正な心がけがあれば,そのような仲間(彙)とともにあることで吉だという。 #易経 #天地否

【毎日易経】人に同じうするに野においてす(卦辞)天火同人の「同人」は「人と同ずる」で和同,会同の意味。「野」は公明正大,隠し立てのできない場をイメージしたい。人と同じ思いでつながっていくには,公明正大な場で行うべし,それであれば亨る。#易経 #天火同人

【毎日易経】人に同じうするに宗においてす。吝なり(爻辞)「宗」は宗族,つまり親戚,同族などを指す。同人,つまり志を同じくして事をなそうとするのに,身内だけとのみ繋がるのは,公明正大な態度ではなく,これはうまくいかない。広く和合していくべきである。#易経 #天火同人

【毎日易経】君子もって悪を遏(とど)め善を揚げて,天の休(おお)いなる命に順う(象伝)天の上に火(太陽)があるのが火天大有。太陽が世を照らし,悪を防ぎ,善を揚げるように,君子たるものは大いなる天命に順うことに努めるべきであるという。#易経 #火天大有

【毎日易経】害に交わることなし。咎にあらず。艱(なや)むときは咎なし(爻辞)大有の初九。大いに所有することの初めだが,まだ最初の段階なので,傲慢な態度を取るまでに至っていない。だから咎はない。艱(なや)むは,艱難の意味。苦しむ気持ちでいれば咎はない。#易経 #天下大有

【毎日易経】君子は終わりあり(卦辞)地山謙は,山が地の下にある卦象,つまり,山がへりくだっている姿から謙遜ととる。君子たる地位にあっても,高く奢ることなく,低く謙遜の態度を貫くことで,君子としての地位を全うできる。君子ほど謙遜の徳が必要だという。#易経 #地山謙

【毎日易経】謙謙す君子。もって大川を渉る。吉なり(爻辞)初六。謙謙であるから,謙遜の上にも謙遜な態度をとる君子。このような君子であれば,大川を渉るような大事を成し遂げることができる,吉であるという。地山謙は「謙遜」の徳を讃えるが易経全体を通じるテーマとも言える。#易経 #地山謙

【毎日易経】豫の時義,大いなるかな(卦辞)雷が地から出て震うのが雷地豫。豫は天の理に順って(坤),動く(雷)ものである。日や月の運行,四季の巡り,すべて道理に従うからこそ天が治る。豫の卦の時の意義はまことに偉大なものである。時にかなうことの重要性をいう。#易経 #雷地豫

【毎日易経】介きこと石の于し。日を終えず,貞にして吉なり(爻辞)六二は柔順で中正。堅固な石のような固い節操をもち,逸楽に溺れることがない。行動を起こすべきとなれば日が変わるのをまたず即行動を起こす。これならば吉であるという。蒋介石の名前はここからという。#易経 #雷地豫

【毎日易経】随は,元いに亨りて貞しきに利ろし(卦辞)「元亨利貞」と言われるのは随以外には乾,屯,臨,无妄,革の5つ。随は時に随うことを教える卦。易経が教えるもっとも中心的な態度と言える。だからこそ,六十四ある卦の中でも数少ない「元亨利貞」が揃う卦になると言える。#易経 #澤雷随

【毎日易経】小子に係れば,丈夫を失う(爻辞)六二は陰爻で九五に正応があるが,ついつい手近な初九に惹かれてしまいがちだと,それを諌めることば。初九は年少の若者。九五は立派な夫…ととれば,わかりやすいか。現代風にとれば,ホストに現を抜かす人妻というところか。#易経 #澤雷随

【毎日易経】蠱は,剛上りて柔下る。巽いて止まるは蠱なり(彖伝)蠱は,食べ物の乗った皿に虫が湧いた様子を表す。つまり腐敗,崩壊。剛が上に,柔が下に向かうのは陰陽が交わらない(天地否と同じ)。また下にある者が上に盲目的に従っているようでは政治の腐敗は免れない。#易経 #山風蠱

【毎日易経】父の蠱(やぶれ)を幹(ただ)す(爻辞)父の時代の蠱(やぶれ:腐敗したこと,失敗事)を子供が引き継いで正していこうとする姿。初六,九三,九四,九五で同じ辞があるが,状態によってもちろん異なる。初六であれば比較的収拾はたやすい。#易経 #山風蠱

【毎日易経】八月に至れば凶あらん(卦辞)地澤臨は陽が少しずつ長じ始めたところ。暦の上では12月(新暦で1月)に当たる。これから運気は上昇するのだが,次の卦(風地観)は陰が長じる卦で8月に当たる。現在は陽気が長じてはいるが今のうちに陰の時期に備えよと戒める。#易経 #地澤臨

【毎日易経】甘んじて臨む。利ろしきところなし。既にこれを憂うれば咎なし(爻辞)六三は陰柔不中正。人と臨むにあたって,へつらいの態度をとってしまう。よろしいところはないが,自らこの非に気づき,態度をあらため憂うるならば咎はない。#易経 #地澤臨

【毎日易経】観は盥(てあら)いて薦めず。孚有りて顒若(ぎょうじゃく)たり(卦辞)風地観は,仰ぎ見るの意味。かつて君主こそが神を祀る存在であったが,祀る際,手を清め,真心を持って祈りを捧げた。その姿を見て,民は服す気持ちを持った。真心こそ人心を動かすものである。#易経 #風地観

【毎日易経】童観す。小人は咎なし。君子は吝なり(爻辞)初六は陰柔。まだ幼い子供のような物の見方の段階。要するに単純。これは地位のない小人ならば咎はないが,君子の立場でこれでは困る。君子であれば深い洞察力を備えた観察ができなければいけない。#易経 #風地観

【毎日易経】先王もって罰を明らかにし法を勅(ととの)う(象伝)火雷噬嗑は,上顎と下顎の中に物が挟まっている様子。物を噛み砕く様子から,法を破ったものを厳罰に処すことに通じる。噬嗑は亨るが,それはこの法に則り,極悪人をきちんと処罰するからである。#易経 #火雷噬嗑

【毎日易経】校(あしかせ)を屨いて趾(あし)を滅(やぶ)る。咎なし(爻辞)初九は最初の段階で,犯す罪もたいしたことはない。与えられる刑罰もそれに応じて足かせをはめられ,少し傷つく程度のものですむ。これに懲りて悔い改め,大きな罪を犯さないようになれば咎はない。#易経 #火雷噬嗑

【毎日易経】天文を観て時変を察し,人文を観てもって天下を化成す(彖伝)山火賁は,火が山下にあって照らしている卦象。陰陽が相交わる姿は天文。文明(火)が止まる(山)のは人文。天の動きを観察し時変を察知し,人文を観て天下の仕置を考えるべし。#易経 #山火賁

【毎日易経】賁如たり濡如たり。永貞なれば吉なり(爻辞)山火賁は「賁(かざ)る=飾る」ことについて。賁如は「きらきら」。濡如は「つやつや」。きらきら,つやつやと美しく飾っているが,それに溺れることなく永く貞正を保つのであれば吉である。飾りに溺れるなという。#易経 #山火賁

【毎日易経】順にしてこれに止まるは,象を観るなり(彖伝)山地剥の「剥」は,剥ぐ,剥ぎ取る。小人の勢いが長じて,ついに一陽を残すのみとなっている。順(坤)にして止まる(艮)の卦象。高い山が土台から崩れさす様子と観る。まずは足元をしっかりさせるところから。#易経 #山地剥

【毎日易経】順にしてこれに止まるは,象を観るなり(彖伝)山地剥の「剥」は,剥ぐ,剥ぎ取る。小人の勢いが長じて,ついに一陽を残すのみとなっている。順(坤)にして止まる(艮)の卦象。高い山が土台から崩れさす様子と観る。まずは足元をしっかりさせるところから。#易経 #山地剥

【毎日易経】先王もって至日に関を閉じ,商旅行かず,后は方を省みず(象伝)地雷復は,全て陰となった坤為地からようやく一陽が復活したところ。一陽来復。暦では冬至。これから陽が回復するにしても,まだそのスタート地点。よって急には動かず,冬至にはじっと一年を思ったという。#易経 #地雷復

【毎日易経】遠からずして復る(爻辞)地雷復は復旧,復活の道を示す。初九は,過ちを犯しても,まだ初期段階。「遠からず」というのは深入りしていない段階のこと。このレベルであればすぐに引き返すことで悔にいたることはないという。このように身を修めなさいという教え。#易経 #地雷復

【毎日易経】无妄は元いに亨り貞しきに利ろし。それ正にあらざるときは眚いあり(卦辞)天雷无妄は自然のままに従うこと。天道をまっすぐ進むのであれば良いが,貞正を保たず,不正なことをするようであれば,眚を招く。この「眚」は「自然災害」ではなく「人災」のわざわい。#易経 #天雷无妄

【毎日易経】无妄の災あり。あるいはこれが牛を繋ぐ。行人の得るは,邑人の災いなり(爻辞)无妄は自然のなすがままに任すことであるが,六三は陰柔不中正であるため,至誠であっても不慮の災いを被る。村人が牛を繋いでおいたものを旅人が持ち去ってしまうようなものである。#易経 #天雷无妄

【毎日易経】大蓄は,剛健篤実にして輝光あり,日にその徳を新たにす(彖伝)山天大蓄は,天(乾)が山(艮)に入る卦象。大いなる乾(剛健)が,山(篤実)のもとに入るので,徳の裾野への広がりは限りなく,光り輝き,しかもその徳は日々新たとなる。#易経 #山天大蓄

【毎日易経】天の衢(ちまた)を何(にな)う。亨る(爻辞)上九。「衢(ちまた)」とは四方八方に道が通じるところで,交通の要所となるところ。それを何(にな)う(=荷なう)とは,その天の十字路を背負って,縦横自在に動き,働くこと。#易経 #山天大蓄

【毎日易経】天の衢(ちまた)を何(にな)う。亨る(爻辞)上九。「衢(ちまた)」とは四方八方に道が通じるところで,交通の要所となるところ。それを何(にな)う(=荷なう)とは,その天の十字路を背負って,縦横自在に動き,働くこと。#易経 #山天大蓄

【毎日易経】顚(さかしま)に頤(やしな)わる。経(つね)に払(もと)れり(爻辞)山雷頤は「養う」卦。基本は上の者が下を養うが,六二には養える力を持つものが,身近には初九しかいない。つまり目下の者に養われる形になり常道にもとることになるという。#易経 #山雷頤

【毎日易経】大過は棟撓む(卦辞)澤風大過は,噬嗑の逆で,上下が陰で中の4本の爻が陽。中が強く,支えが弱い様子となる。しかしながら,二爻と五爻は陽剛中正。澤風は「巽って(風)説(よろこ)ぶ(澤)」卦徳であり,進んでことを行うのによい,という。#易経 #澤風大過

【毎日易経】枯楊稊(ひこばえ)を生じ,老夫その女妻を得たり。利ろしからざるなし(爻辞)九二は陽剛の勢いが過ぎる始め(「過ぎる」が大過)。五爻に正応がないので初六に親しむが,それは人生の盛りを過ぎた老人が,若い女を妻とするようなもの。過ぎてはいるが悪くはない。#易経 #澤風大過

【毎日易経】険の時用大いなる哉(彖伝)坎為水は易経四大難卦の一つ。「水(坎)」が重なっているのだから,険難の上にも険難である。しかし,それを活用して,君子は国を守る。険難であってもそれをいかに活用するかである。人生の苦難,険難もしかり。#易経 #坎為水

【毎日易経】坎を習(かさ)ねて,坎窞(かんたん)に入る。凶なり(爻辞)初六は,陰柔居下で,険坎に陥ることが最も深い立場にある。坎の上に坎を重ねており,坎窞(坎において最も深いくぼみ)にはまるのだから,凶の状態だという。#易経 #坎為水

【毎日易経】日月は天に麗き,百穀草木は土に麗く(彖伝)離為火の「離」は「麗(つ)く」こと。太陽や月は天につき,植物は土に根付く。これが正しい姿である。正しいところに立脚するからこそ正しい力を発揮できる。われわれも正しいところに立つべきだという。#易経 #離為火

【毎日易経】突如それ来如たり。焚如たり。死如たり。棄如たり(爻辞)離為火は「麗く」,つまり何かについて燃えることで正しさが保てる卦。いきなりやってきて燃える(活動する)という強引なことをしたのでは,誰にも受け入れられず,焚(や)かれ,殺され,捨てられるだけ。#易経 #離為火

【毎日易経】二気感応してもって相い与するなり(彖伝)澤山咸は澤(兌・柔)が上で山(艮・剛)が下る。剛柔,陰陽が相感じ合って成り立っているので「咸」という。相通じあう,相感じ合うところから,万物が生まれ,天下にも平和がもたらされるのである。#易経 #澤山咸

【毎日易経】その腓(こむら)に咸ず。凶なり。居れば吉なり(爻辞)澤山咸は相感じる象。六二は九五に応じて心が動く。人体では歩くときにまず動く腓に相当する。軽々しく動くのは凶だが,柔順の徳を発揮し,じっとしているなら吉である。「君子もって虚にして人に受く」に通じる。#易経 #澤山咸

【毎日易経】日月は天を得て能く久しく照らし,四時は変化して能く久しく成し,聖人はその道に久しくして天下化成す(彖伝)易の三つの側面「不易」を体現するのが「恒」といえる。太陽,月が巡り,四季も変化するがその道筋に変わりはない。その不変を知ることが重要。#易経 #雷風恒

【毎日易経】恒を浚(ふか)くす。貞しけれども凶なり。利ろしきところなし(爻辞)雷風恒初六。物事が始まったばかりの段階で,相手に深く恒常の道を求めるようす。これは貞正ではあるが,凶であって,うまくはいかない。関係は少しずつ築くべきものである。#易経 #雷風恒

【毎日易経】遯は亨るとは,遯(のが)れて亨るなり(彖伝)天山遯は,下から二陰が伸びてきて,陽を追いやろうとしつつある姿。それを察知して,素早く逃げる態勢を整えるので亨るという。いつまでも地位にしがみついていては何もかも失う。引くべきときは素早く!#易経 #天山遯

【毎日易経】好みすれども遯(のが)る。君子は吉,小人は否らず(爻辞)九四は初六と正応しており,その部分では好愛の情は持っている。しかし,逃れるべき時と判断すれば決然として逃れる。そういう判断ができる君子なれば吉。つい引きずられる小人ではよろしくない。#易経 #天山遯

【毎日易経】大壯は貞しきに利ろし(卦辞)天山遯の逆で,雷天大壯は陽が伸び,陰を駆逐せんとする勢い。勢いがあるので良いのだけれども,貞正を保ってこそ「利ろし」。勢いがあるからと,調子に乗りすぎてはいけない。#易経 #雷天大壯

【毎日易経】貞しければ吉にして悔亡ぶ。藩(まがき)決(ひら)けて羸(くる)しまず。大輿の輹に壮んなり(爻辞)九四は陽が進み切ったところにあるが,その先は陰爻ばかりで問題なし。貞正であることを忘れなければ吉である。藩が開けて進める。角を引っ掛けて苦しむこともない。#易経 #雷天大壯

【毎日易経】晉は,康侯もって馬を錫わること蕃庶(はんしょ)にして,昼日に三たび接せらる(卦辞)晉は進む。人事で例えると,康侯(自領を康んじた諸侯)が進んで天子に謁見し,功績を愛でられ多数の馬を賜り,一日三度の謁見まで許される寵遇を得る出世を成し遂げるようす。#易経 #火地晉

【毎日易経】晉如たる鼫鼠(せきそ),貞しけれど厲し(爻辞)火地晉は元いに進む,良い意味の卦であるが,良い気になりすぎてもいけない。九四は陽剛不中正。順調な出世で高位に就いたとしても,そこで貪欲な大鼠のように貪るようになっては,貞正を保ってもよくない。#易経 #火地晉

【毎日易経】内文明にして外柔順,もって大難を蒙る。文王これをもってせり(彖伝)地火明夷は,明(火・文明)が地中に潜ってしまう卦象。徳が隠れてしまう様子であり,まさに文王が殷の末期に大難にあったのに似る。文王は柔順を貫き,最後には殷を滅ぼした。#易経 #地火明夷

【毎日易経】箕子の明夷(やぶ)る。貞しきに利ろし(爻辞)箕子は殷の紂王の異母兄。紂王の非道を諌めた人物だが,紂王によって無道にも傷つけられた。明夷の時は,正しい行いが地に隠れてしまうような時期。箕子が傷つけれてもなお貞正であり続けた姿に学ぶべし。#易経 #地火明夷

【毎日易経】君子もって言には物あり,行いには恒あり(象伝)風火家人は家,家族,家庭のあり方についての卦。家庭内では気を許して,ついつい言葉遣いが乱暴になったりいい加減になったりする。しかし家は社会の基本である。むしろ家庭内からこそきちんとすべき。#易経 #風火家人

【毎日易経】有家を閑ぐ。悔亡ぶ(爻辞)初九。家を治める最初の一歩。陽爻にちなみ,はっきりとした強い態度で家の中を治めていく決意をもてば,家の中の乱れは起こらない。何事も最初の段階からきちんと積み上げねばならないという戒めも奥に感じる。#易経 #風火家人

【毎日易経】睽の時用,大いなる哉(彖伝)火澤睽は上に火が炎上し,下に澤が潤す。全く正反対のものが同居している。天地,男女,万物みな同じで,方向が全く違うものの,志が通じていくことを示している。睽きつつも相通じる。そこの火澤睽の大いなる時用が示される。#易経 #火澤睽

【毎日易経】睽きて孤なり。豕(いのこ)の塗(どろ)を負うを見,鬼を一車に載す(爻辞)火澤睽は背く。相手を背中に泥をいっぱいつけた汚い豚のように思ったり,鬼が車に満載であるかのような疑心暗鬼の目で見ては,孤独に陥る。疑いを解くことで相手との友愛が図られる。#易経 #火澤睽

【毎日易経】険を見て能く止まる,知なる哉(彖伝)水山蹇は『易経』四大難卦の一つ。行く道に険難(水)がある様子。それを見て,進むのを止める。なんと見識に優れたことか,という。無謀にも前進するだけでは能がない。険難を察知したら潔く歩みを止めるのもまた君子。#易経 #水山蹇

【毎日易経】九五。大いに蹇(なや)むも,朋来る(爻辞)九五は,険難の真っ只中。もっとも窮地に追い込まれている状況であるが,陽剛中正であり,また正応している六二が「朋」として助けにやってくる。水山蹇はどれも険難であるが,必ずどこかに助けがあることを示している。#易経 #水山蹇

【毎日易経】天地解けて雷雨作(おこ)り,雷雨作って百果草木みな甲坼(こうたく)す(彖伝)水山蹇を受けて雷水解。険難(水)が動かない蹇から,動きだす解に変わる。険難が解消に向かう。甲坼は種子が殻を破って発芽すること。閉塞状態を打破する動きである。#易経 #雷水解

【毎日易経】君子維れ解くことあらば,吉なり。小人に孚あり(爻辞)五爻は君子。寄ってきてしまった小人(初六,六三,上六)を去らせ,賢人を大切にするなら吉だという。ただ排斥するのではなく誠意を持って対すれば,小人といえば孚で対応するので,問題はない。#易経 #雷水解

【毎日易経】君子もって忿(いか)りを懲らし欲を窒(ふさ)ぐ(象伝)「損」は減らすべきもの。君子が減らすべきもの。それは怒りと情欲の感情である。君子は怒りと情欲を抑え,よって心を貞し,行いに過ちが生じることのないようにすべきである。#易経 #山澤損

【毎日易経】事を已めて遄(すみ)やかに往けば,咎なし。酌みてこれを損すべし(爻辞)初九は六四に呼応する。陽剛の才能をもって,陰徳に応ずるということ。自らを損し上に益する動きは咎はない。ただし,損する度合いは事情をよくよく斟酌すべきではある。#易経 #山澤損

【毎日易経】君子もって善を見ればすなわち遷り,過ちあればすなわち改む(象伝)風雷益は風(巽)と雷(震)。まさに疾風迅雷である。君子たるもの,他人の善,良いところを見れば,それを学び習い,もし自分に過ちがあれば即改めるべし。その素早い学びこそが君子の徳である。#易経 #風雷益

【毎日易経】君子もって善を見ればすなわち遷り,過ちあればすなわち改む(象伝)風雷益は風(巽)と雷(震)。まさに疾風迅雷である。君子たるもの,他人の善,良いところを見れば,それを学び習い,もし自分に過ちがあれば即改めるべし。その素早い学びこそが君子の徳である。#易経 #風雷益

【毎日易経】君子もって禄を施して下に及ぼし,徳に居ることはすなわち忌む(象伝)澤天夬は,陽が長じて陰を完全に駆逐するほどの勢いがある状況。勢いが過ぎると決壊の恐れもある。上に立つものは禄をきちんと家臣・部下に施すことを心がけ,自らは徳を守り務めることを心がけよ。#易経 #澤天夬

【毎日易経】頄(つらぼね)に壮(さか)んなり。凶あり。君子は夬(さ)るべきを夬る(爻辞)澤天夬は決断,決別の時。小人を排除すべし,という決意が強すぎて顔に出てしまっている。これでは凶だが,君子は決めたことは貫くべし。それであれば咎はない。#易経 #澤天夬

【毎日易経】姤は,女壮(さか)んなり(卦辞)天風姤は,一陰が五陽を相手にする様子。男が五人いるところに女が一人入り込んでくる状況と見る。こうした場合,男が女に惑わされ乱れが生じる。女も一人で五人の男を手玉にとるようなもの。壮んといえるが,よろしくない。#易経 #天風姤

【毎日易経】包(つと)に魚有り。咎なし。賓に利ろしからず(爻辞)天風姤は初六の一陰が五陽を相手にするという女壮の卦。九二はその一陰のすぐ上にあって,包で魚を包み込んでいるような状態。つまり上に影響を及ぼさないように防いでいる。こういう状態なら咎はない。#易経 #天風姤

【毎日易経】その聚まるところを観て,天地万物の情見るべし(彖伝)澤地萃は,沢水が地上に集まって物を潤している卦象。なぜ人や物が集まっているのか?天地の順にしたがっているからである。よくよく観察をすれば,天地の真実が見えてくるのである。#易経 #澤地萃

【毎日易経】若し号(さけ)べば一握して笑いを為さん。恤うるなかれ(爻辞)澤地萃は集合,集まる。初六は陰柔居初,正応の関係にある九四と繋がりたいが,間の二陰とついついつるんでしまい乱れてしまう。でも心配はいらない。もし誠を持って叫べば九四が駆けつけてくれる。#易経 #澤地萃

【毎日易経】君子もって徳に順い,小を積みてもって高大なり(象伝)地風升の卦は,地中(坤)に木(巽)が生じる様子。木は少しずつ成長して伸びていく。その姿にならって,君子も小さいことからこつこつと善いことを積み重ねて大きく伸びるべしという。#易経 #地風升

【毎日易経】虚邑に升(のぼ)る(爻辞)九三の爻辞。陽剛居正。虚邑とは,誰もいない無人の村のこと。升り進んでも誰も邪魔をする者はない。少しも迷うことなくまっすぐ進んでいけば良い。#易経 #地風升

【毎日易経】虚邑に升(のぼ)る(爻辞)九三の爻辞。陽剛居正。虚邑とは,誰もいない無人の村のこと。升り進んでも誰も邪魔をする者はない。少しも迷うことなくまっすぐ進んでいけば良い。#易経 #地風升

【毎日易経】臀(しり)株木に困しむ。幽谷に入りて,三歳まで観ず(爻辞)普通は初爻から徐々に良くなっていくが,難卦に関しては初爻が一番の困難。澤水困でも初九は困窮が甚だしく,切り株の上に座って尻がいたくてたまらない状態。幽谷に入り込んで人と三年も会えないほど。#易経 #澤水困

【毎日易経】往来井を井とす(卦辞)人が生きるにはまずは水の確保から。井戸があるところに人が集う。そこに往来が生まれ,また往来をいく人々は誰でも井戸を使うことができる。江戸時代の長屋の姿が思い浮かぶ。井戸の周りに人が集まり,交流が生まれていくのである。#易経 #水風井

【毎日易経】井渫(さら)えたれども食(くら)われず。我が心の惻(いた)みをなす(爻辞)水風井は初六から順に井戸が綺麗になり,水が豊富となり社会的に有用になる段階を示す。九三は十分に澄んで綺麗な水になっているのに飲んでもらえない状態。社会に認められず辛い状態。#易経 #水風井

【毎日易経】革は,已日にしてすなわち孚とせらる(卦辞)澤火革は,水(澤)と火(離)が互いに争い互いに消し合うところから革命,革新を表す。しかし,正しいことなら革命がなるわけではない。已日,すなわち十分に改めるべき段階に至っているときにこそ革命は成り立つのである。#易経 #澤火革

【毎日易経】已日にしてすなわちこれを革む(爻辞)六二は中正かつ九五に正応がある。已日,すなわち革めるだけの時機が熟している段階であり,この段階であれば,思い切って事を革めることは,吉であって咎はない。革新は正しいかどうかだけではなく,已日かどうかが重要である。#易経 #澤火革

【毎日易経】巽にして耳目聡明なり(彖伝)火風鼎の「鼎」は煮炊きに用いる器で,王が神にお供えするための大事な道具であり,権威の象徴となる。その君子は巽順の徳を備え,かつ耳目聡明であるべきとする。民の声に耳を傾け,神にしたがう姿勢があれば天下は治る。#易経 #火風鼎

【毎日易経】鼎趾(あし)を顚(さか)しまにす。否を出だすに利ろし(爻辞)初六は鼎の足に当たる。上の九四に応じようとしているが,それは逆さになった状態だが,だからこそ,これまでのオリのようなものが流れ出す。かえってよろしい。第一歩として適切なので咎はない。#易経 #火風鼎

【毎日易経】震の来るとき虩虩たりとは,恐れて福を致すなり(彖伝)「虩虩たり」は恐れ慄くさまである。震為雷は雷鳴や震動。上下卦ともに雷で動き震える様子。人は雷鳴が轟けば,恐れおののくが,その恐れが身の慎みに通じ,福にいたるのである。恐る気持ちもまた重要。#易経 #震為雷

【毎日易経】震いて遂に泥(なず)む(爻辞)九四。陽剛不中正であり,しかも陰に挟まれている。「震う」つまり恐れおののきながら,しかもぐずぐずしているようす。まさに泥にはまったようにどうしようもなくなっているじょうたい。その能力が全く足りていないから落ち込んでいる。#易経 #震為雷

【毎日易経】時止まるべければすなわち止まり,時行くべければすなわち行き,動静その時を失わず,その道光明なり(彖伝)「常に前進」は聞こえはいいが正しくもない。止まるべき時には止まる。行くも止まるも「時」に叶うことが正しく,その道は光明に満ちている。#易経 #艮為山

【毎日易経】時止まるべければすなわち止まり,時行くべければすなわち行き,動静その時を失わず,その道光明なり(彖伝)「常に前進」は聞こえはいいが正しくもない。止まるべき時には止まる。行くも止まるも「時」に叶うことが正しく,その道は光明に満ちている。#易経 #艮為山

【毎日易経】君子もって賢徳に居りて俗を善くす(象伝)風山漸は,山(艮)の上に木(巽)ある卦。樹木が漸次(少しずつ)成長して大きくなるのと同じように,君子も自らの賢徳を養い,その徳で周りを感化し,善に導くべし。まずはリーダーたるものが身を正しくしたいものである。#易経 #風山漸

【毎日易経】鴻木に漸む。あるいはその桷(たるき)を得。咎なし(爻辞)風山漸の爻辞は鴻(かり)が水際から少しずつ上がってくる様子で解説する。六四では木の上にたどり着く。水際から離れて不慣れな場所で不安定なようだが,しっかりとした枝なので落ち着けるし,咎はない。#易経 #風山漸

【毎日易経】帰妹は,征けば凶なり。利ろしきところなし(卦辞)帰妹は妹(年少の娘)を嫁がせる意味。女子が嫁ぐに当たって自分の方から先に行動を起こすのはよろしいことはない,という。「古事記」もイザナミから声をかけたのが失敗の原因となる一節がある。不思議な符合である。#易経 #雷澤帰妹

【毎日易経】帰妹に期(とき)を愆(あやま)る。帰(とつ)ぐを遅(ま)つこと時あり(爻辞)九四は陽剛にして正応がない(初爻も陽)。賢女が良縁に恵まれず婚期を逃した状態。しかるべき相手を待って時を過ごさねばならないという。帰妹は拙速な婚姻を戒める。#易経 #雷澤帰妹

【毎日易経】憂うるなかれ,日中に宜し(卦辞)雷火豊は盛大,豊かであること。勢いが盛大であるときに亨るのは当然であるが,同時に,衰え行くことを気にするのも道理である。しかし,王たるものいたずらに憂うる必要はない。日が中するごとくまっすぐ王道を進むべし。#易経 #雷火豊

【毎日易経】その屋を豊いにし,その家に蔀す(爻辞)上六。第六爻は盛りを過ぎているのに度も過ぎている状態。才能もないのに気位ばかり高く,いわば屋根を高くして,家中に蔀をつけ,周りから見えないようにしてしまう状態。思い上がりがすぎるとろくなことはない。#易経 #雷火豊

【毎日易経】旅には貞しければ吉なるなり(彖伝)火山旅の卦は旅,旅行の意。『易経』の時代の旅は,今のような余暇の旅ではなく,使命があり,苦しく辛いものだったはず。だからこそ,貞しい心でいるべきだという。旅の恥はかきすてとばかりの行動は災いを呼ぶ。#易経 #火山旅

【毎日易経】旅してその次(やど)を焚(や)かれ,その童僕を喪う。貞しけれども厲し(爻辞)九三。旅の途上,せっかく休息の場としての宿を得られたと思ったら,その宿が焼けてしまう(上卦が火)。召使も手荒な主人に愛想をつかして出て行く。旅の目的が貞正でもこれは危険である。#易経 #火山旅

【毎日易経】随風は巽なり。君子もって命を申(かさ)ね事を行う(象伝)巽は風。風は後から後から吹き従う。この卦象に学び,君子(リーダー)は,命令を出すときには丁寧に丁寧に分かりやすく何度も繰り返し伝えなければならない。ぞんざいな言葉のリーダーには誰もつき従わない。#易経 #巽為風

【毎日易経】頻りに巽(したが)う。吝なり(爻辞)九三の爻辞。ひたすら巽順の体を見せるが,うわべだけのこと。本当の意味で従ってないので吝だという。志が本当でない,うわべだけの巽順では行き詰まることは目に見えている。#易経 #巽為風

【毎日易経】渙は亨る。王有廟に仮(いた)る(卦辞)風水渙の渙は「散らす」の意味。風が水面の水を吹き散らしている様子から考える。散るのだが,また集めればよい。王は,祖先の霊を廟を祀ることで集める。そうして群衆の気持ちも一つにまとめる。貞正であればよろしい。#易経 #風水渙

【毎日易経】六四。その群れを渙らす。元吉なり。渙るときは丘(あつま)ることあり。夷の思うところにあらず(爻辞)「群れ」は烏合の衆。このような集まりなら解散してしまう方がいい。君子にひたすら支えようとするので元いに吉であるし,また優秀な人が自ずと集まる。#易経 #風水渙

【毎日易経】苦節は貞しくすべからず(卦辞)節は節制・節度。「程よく止まる」のが「節」であり,度を過ぎた窮屈なものは節制とは呼べない。物事を成し遂げるまでに,「苦節十年」と努力を積み重ねるのは大事だが,適度,適切でなければ亨らない。#易経 #水澤節

【毎日易経】節に甘んず。吉なり。往けば尚ばるることあり(爻辞)九五は陽剛中正。彖伝の「位に当たりてもって節あり」に相当する。節度,節制の度合いもほどよく,安心してその姿勢を保っているので吉である。それゆえ進んでいっても多くの人から尊敬を得られる。#易経 #水澤節

【毎日易経】中孚は,豚魚にして吉なり(卦辞)風澤中孚は,心の中に孚(誠)があるという意味。心中に孚誠があるなら,豚魚(ふぐ)のようなものを知らないものですら感化されるので吉である。「孚」は,下の「子」の部分を親鳥が優しく抱えて温めている様子を示す。#易経 #風澤中孚

【毎日易経】孚有りて攣如たり。咎なし(爻辞)風天小畜の九五の爻辞と同じ。まさに「孚」が満ち溢れているようす。「攣如」は人と人がつながるさま。孚で人がつながり,事に当たるのであれば,もちろん咎はない。#易経 #風澤中孚

【毎日易経】飛鳥これが音を遺す。上るに宜しからず,下るに宜し(卦辞)雷山小過の卦は,真ん中の陽が胴体,上下の陰を翼に見立てる。鳥が鳴き声を残して空を飛ぶ。どこまでも上っていくと行き場を失う。地に舞い降りれば休めるところも見つかるというもの。謙虚に下ることも大事。#易経 #雷山小過

【毎日易経】飛鳥もって凶なり(爻辞)初六。九四に正応があるので,ついついそれを目指して飛び上がってしまうが,これは「行き過ぎ」なのである。まだ実力も経験を備わってない段階で,一足飛びに高みに上ろうとするのは凶。分限を知るべきである。#易経 #雷山小過

【毎日易経】君子もって患を思いて予めこれを防ぐ(象伝)水火既済の卦は,各爻が全て正位にあり,互いに正応で,完全に事が成った状態を示す。満月も次は欠けていくのと同じ。完成・完全の次は衰えに向かう。君子たるもの,それを見越して備えるべきである。#易経 #水火既済

【毎日易経】初九。その輪を曳き,その尾を濡らす。咎なし(爻辞)水火既済は事がなった後に取るべき態度。初九はその初期段階。事が成ろうとする段階であり,慎重に,慎重に事を運ぼうとしている。これなら咎はないという。事が成った後は,むやみやたらに前進してはならない。#易経 #水火既済

【毎日易経】小狐汔(ほと)んど済(わた)らんとして,その尾を濡らす。利ろしきところなし(卦辞)火水未済は,事が未完成であることを示す。未熟な小狐が川を渡ろうとして,その尾を濡らしてしまいうまくいかないようす。経験が浅いものはうまくいかないものである。#易経 #火水未済

【毎日易経】飲酒に孚あり。咎なし。その首を濡らすときは,孚あれでも是を失う(爻辞)上九の爻辞。火水未済といえでも上九までくれば事が成ろうとする段階。心静かに酒を飲んで待つぐらいなら咎はない。しかし焦って首までどっぷり酒に浸かるようでは是非を失う。#易経 #火水未済

【毎日易経】今日でまた六十四卦全体の読み通しが終わりました。これまで岩波文庫版を元にしてきましたが,明日からは『中国の思想VII 易経』(徳間書店)http://www.amazon.co.jp/dp/4198605912/ を底本とすることにします。 #易経

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