【本】『東京ラブストーリー After 25 years』
思いがけない単行本化
昨年1月下旬発売の『週刊ビッグコミックスピリッツ』に創刊35周年記念読切として,『東京ラブストーリー』の続編が掲載されました。
いろんなメディアでも取り上げられて,私も「読みたい!」と思ったものの,あっという間に売り切れてしまい,手にすることはできませんでした。
ずいぶんと経ってから,とあるラジオ番組の「20世紀を振り返る」というコーナーの中で,『東京ラブストーリー』の話題になり,この続編についても触れられていて,「うー,読みたかったー」と思っていたものでした。
すっかり忘れていたのですが,どうやら『女性セブン』という雑誌でその後連載されていて,このほどめでたく『東京ラブストーリー After 25 years』として単行本化。読み逃していた私もようやく手にすることができました。
衝撃の展開
まず,ドラマと原作では終わり方が違っています。
当時は,ドラマはドラマ,原作の漫画は漫画・・・ということでよかったと思うのですが,こちらの続編は,原作の終わり方をわかっていないと話が見えなくなってしまいます。
もし原作はまだ読んで無いという方は,原作を読んでからの方がいいでしょう。
ストーリーが始まって,ページをめくった途端に「そうきたかーーーーーー!」という衝撃の展開。
やられました。
そこから先はすっかり「紫門ワールド」に引き込まれて一気に読了です。
当時,どんな展開なのか誰も教えてくれなかったのですが,読んでわかりました。
これは絶対に自分でページをめくらないといけないのです。
リカという女性
リカは相変わらずリカだし,カンチもカンチのまま。
巻末のAfter Wordとして紫門ふみが以下のように書いています。
そしてあの時代,”リカ”だった女の子,
つまり私が作品を描く上でのリカのモデルとしていた女性たちがみな,
なるほど。
「リカ」というキャラクターの中身は実は一人じゃなかったのです。
あいかわらず奔放でペースが読めない,でも,非常に繊細なところも見せる。
「カンチ,セックスしよ!」というセリフが話題になりましたが,今回の漫画の中でも「カンチとHした回数」を数えていたというエピソードも出てきます。
大胆なようで繊細。回数をカウントするリカというイメージがなかなかうまく組みあわさらなかったのですが,それが実はまさに紫門マジックなんだと読んでから気づきました。
一人の女性の中にはいろんな側面があります。
でも,一人の女性をモデルにしては描ききれません。
矛盾する相反する性質を一度には描きにくい。
でも,いろんな人の側面をごった煮にして濾してでてきたものを描くと,あら不思議。
「リカ」という不思議な魅力をもった女性のできあがりです。
そうやってあらためて読み直すと,
「かつて恋をしたことがあるすべての女」に,
この作品を楽しんでいただければと思います。
という紫門ふみの言葉に納得するのです。
あらためて,『東京ラブストーリー』も読み直したくなりました。
かつて文庫本版で持っていたのを人にあげてしまったので,今は手元にありません。
さて,単行本で買うか,kindle版で買うか・・・
関連記事
-
-
【文具】ステッドラー ジャンボ3色えんぴつ
おしゃれな雑貨屋 Angers 河原町通三条上がる,本能寺の裏口のすぐ横におしゃれな雑貨屋さんアン
-
-
【マインドマップ】ニーモシネがリニューアル(していました)
マインドマップ用のノートとは? マインドマップを描く道具は「紙とカラーペン」というのは,昨日のエン
-
-
【本】『考える鉛筆』
やっぱり鉛筆が好き 文房具好きにも色々なタイプがあって,なんでも好きという人から,特定の分野にこだ
-
-
【映画】『インサイドヘッド』
頭の中では何が? 今日は久しぶりに映画館に足を運んで『インサイドヘッド』をみてきました。 「
-
-
【本】『ビジネスパーソンのための易経入門』
占いでもなく哲学でもない 『易経』とはなんぞや?というと,常に問題になるのは「易の二面性」です。
-
-
【Amazon】Kindleの新モデル
一度使うと手放せない 日本向けのKindleが発売されてすぐは品薄で入手困難でしたが,しばらくして
-
-
【中つ国】THE ART OF THE LORD OF THE RINGS
久々に「中つ国」ネタ 最近,このブログに書くことといったら『易経』か,それに関連して東洋思想だった
-
-
【本】『デジタルマインドマップ超入門』
TLI(ThinkBuzan公認インストラクター)仲間で,最もiMindMapに造詣の深い金子さんが
-
-
【本】『黄小娥の易入門』
易占入門の大ベストセラー 最初,昭和36年(1961年)に発売されて,大ベストセラーとなった本のリ
- PREV
- 【本】『小暮写眞館』
- NEXT
- iMindMapアプリでセミナーメモ