【毎日易経】『繋辞伝』音読(2014.10.23〜11.26)
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易経
『易経』音読 Twitterまとめ
気がつけば毎日の『易経』音読も3周回ったのですが,昨年10月下旬からのまとめをサボっておりました。
ということで,これまでの『繋辞伝』『序卦伝』と六十四卦の3回目の音読Tweetを順にアップしていきます。
なお,底本は『易経〈上〉』『易経〈下〉』(岩波文庫)を使っています。
『繋辞伝』音読(2014.10.23〜11.26)
【毎日易経おまけ】今朝のTweetで,『易経』の本文は2周しました。明日からは『易経繋辞伝』の上下を少しずつ読みます。それが終わったら次どのように進めるかはあらためて考えます #易経
【毎日易経】この故に剛柔相い摩し,八卦相い蕩(うご)かす(繋辞上伝)『繋辞上伝』は『易経』全体の概論。世界は,まず乾(天・陽)と坤(地・隠)の二卦が成立し,陰陽が相交わって八卦が生まれると説く。すなわち,兌(澤),離(火),震(雷),巽(風),坎(水),艮(山)である。#易経
【毎日易経】変化とは進退の象なり。剛柔とは昼夜の象なり。六爻の動きは,三極の道なり(繋辞上伝)変化というのは事の前進・後退を象徴,剛柔とは昼夜の象徴,六爻の動きのうちには三極(天地人)の三才の道が尽くされているのである。『易経』に込められている奥義の正体を明かしている。#易経
【毎日易経】この故に卦に小大あり,辞に険易あり(繋辞上伝)易経の構成についての解説。易には彖伝,象伝,卦辞,爻辞とあり,それぞれが表すものをまとめる。卦の隠と陽の現れ方から序列が生まれ,その言葉には,厳しものから易しいものまであり,そこから先を見通し,行動を考えるのである。#易経
【毎日易経】天地と相似たり,故に違わず。知万物に周くして道天下を済う,故に過たず(繋辞上伝)「易は天地と準(なぞら)う」の一節。易は天地の成り立ちになぞらえて作られているので,一致して違うことはない。易を拠り所にすれば万物にあまねく行き渡り,天下を救うに足る。誤りがない。#易経
【毎日易経】一隠一陽,これを道と謂う(繋辞上伝)隠と陽が互いに相反し,時には交わり,無窮の変化を織り成すのが道である。『易経』はこの世の成り立ちを隠と陽の二つの相互作用によるものととき,それを見極め,いかに暮らしに,政道に活かすかを説く。#易経
【毎日易経】それ乾はその静かなるや専らにして,その動くや直し。ここをもって大いに生ず(繋辞上伝)そもそも乾は,陽気が発動しないときは静止状態でピタッと止まっているが,一旦動けばまっしぐら。だからこそ大いに物が生じるという。続いては坤について述べ,坤は広く生ず,と述べる。#易経
【毎日易経】知は崇く礼は卑し。崇きは天に効い,卑きは地に法る(繋辞上伝)孔子の言葉。聖人が修めるべき知識と礼譲について,知識は高みを目指すが,それは天に倣うべき。礼譲の卑謙さは地の低きに見習うべきであるとい。易が乾坤に始まりその中に全てが凝縮されていることからの言葉。#易経
【毎日易経】聖人もって天下の賾(さく)を見ることありて,これをその形容に擬(なぞら)え,その物宜に象る。この故にこれを象と謂う(繋辞上伝)「賾」は「入り組んで複雑,見分け難いこと」。聖人は物事をじっくり観察し,それらの姿を64の事象に象って卦とした。だから象という。#易経
【毎日易経】子曰く,易を作る者は,それ盗を知れるか(繋辞上伝)分不相応な乗り物に下賤の者が乗ることで他者の「盗んでやろう」という気持ちを起こさせる。物の扱いが怠慢だと盗みを誘発する。人間の心の有り様を的確に表す易を見て,作者がいかに人の心を知っているかを孔子は感心する。#易経
【毎日易経】道を顕かにして徳行を神にす(繋辞上伝)この前に,占筮の法(策の数え方)を説く。占筮の法によって,天地の道を顕らかにして,人の徳行を神妙なものにする。だからこそ易,占筮は,陰陽変化すなわち世の道理を知ることとなり,まさに鬼神の知恵だと孔子もいう。#易経
【毎日易経】それ易は聖人の深きを極め幾(きざし)を研く所以なり(繋辞上伝)易は聖人が深遠な道理を極め,物事の兆しを解明するためのものであるという。ここでは,易を読み極めることで,兆しを掴み,行動に移していくことの大事さを説く。まさに聖人として取るべき態度である。#易経
【毎日易経】それ易は物を開き務めを成し,天下の道を冒(おお)う(繋辞上伝)易とは何か?易とは万物を開発しあらゆる事業を完成させ,天下の道を覆い尽くす,つまり物事の道理を明らかにするためのものだ,と孔子は説く。「開物成務」の語源。「開成中学・高校」の「開成」はここに由来する。#易経
【毎日易経】子曰く,書は言を尽くさず,言は意を尽くさずと(繋辞上伝)孔子は文字で書かれた書物では言いたいことを言い尽くせないし,口から出る言葉も思っていることを尽くせない,という。だからこそ,聖人は八卦の象により「イメージ」を与えている。そこからどれだけ汲み取れるか?#易経
【毎日易経】吉凶悔吝は動に生ずるものなり(繋辞下伝)八卦は天地の事物を象り,それを重ねて六十四卦として全てを表す。変化はその中に現れ,卦辞によりあらゆる事物の動きが示される。その事物の動きから,吉凶悔吝が生じるのである。「易」の成り立ちと天地の表現の関係を述べている。#易経
【毎日易経】仰いでは象を天に観,俯しては法を地に観,鳥獣の文と地の宜を観,近くはこれを身に取り,遠くはこれを物に取る(繋辞下伝)易の成立について。伝説上の皇帝包犠氏は,天体の動き,大地の理法,鳥獣の文様,土地の事物などあらゆるものを観察し,そこから八卦を導いたのだという。#易経
【毎日易経】この故に易とは象なり。象とは像なり(繋辞下伝)伝説上の皇帝包犠氏から始まり古代の聖人が天地風物の事象を観察し易を作ったが故に,易とは象であり,象とは像,すなわち「ものの姿を象(かたど)る」という意味だという。易は天地の動きをまとめたもの,天地そのものである。#易経
【毎日易経】陽卦は陰多く,陰卦は陽多い(繋辞下伝)八卦において一陽二陰の震,坎,艮は陽卦,一陰二陽の巽,離,兌は陰卦に分類される。なぜか。一君に二民というのは国家として正しく,二君に一民のようにリーダーが多い状態は好ましくないからである。指導者が多いのは混乱の元である。#易経
【毎日易経】天下帰を同じくして塗(みち)を殊にし,致を一にして慮を百にす(繋辞下伝)天下の帰するところは同じなのに,人はそこに至るまでの道のりをさまざまにとる。人の生き方には幾通りもあるが,畢竟行き着く先は一つである。何をあれこれ思い,迷うことがあろうか。#易経
【毎日易経】それ易は往を彰らかにして来を察し,顕を微にして幽を闡(ひら)く(繋辞下伝)そもそも易とは,過去の事情を明らかにして,未来の事態を推察し,顕著な事物の中に微妙な原理をさぐるものである。原因と結果の成り立ちをしることで,世の中を安全に渡れるのである。#易経
【毎日易経】易の興るや,それ中古においてするか(繋辞下伝)易が盛んになったのは,中古,つまり殷の末頃のことであろうか,という。易経全体を通じてどことなく漂う末世感を捉えてのことばであろう。中でも,履,謙,復,恒,損,益,困,井,巽の九つの卦を取り上げている。#易経
【毎日易経】易の書たるや,遠ざくべからず(繋辞下伝)易という書物は,世の成り立ちを示し,人生の行動指針を示してくれる必須の本であり,決して遠ざけることなく,常に身近に置き,卦辞に基づいて行動しつつ,その蘊奥を極める努力を日々すべきである。易があれば人生怖いものなし。#易経
【毎日易経】知者その彖辞を観れば,思い半ばに過ぎん(繋辞下伝)易経の彖辞とは六十四卦の最初の言葉。知者(物事の道理を知った人)なら,彖辞を「ヒント」として物事の成り行きをすぐさまに悟るであろうという。易経は「あ,そうか!」とひらめきをあたえてくれる言葉にあふれている。#易経
【毎日易経】易の書たるや広大悉く備わる(繋示下伝)易は全てが備わっている。すなわち、まず天・地・人の三つがあり、それぞれに二つの徳がある(陰陽・剛柔・仁義)。それゆえ六爻が備わり、貴賎上下、万物の動きが相交わって、吉凶が生じる。シンプルに見えて、全てが備わっているのが易経。#易経
【毎日易経】危ぶむ者は平らかならしめ,易(あなど)る者は傾かしむ(繋辞下伝)「易経」は伝説では,周の文王が殷の紂王に幽閉されている際,牢獄の中で多くの卦辞を書いたとされてる。辛酸をなめ,栄枯盛衰の変遷をみた文王だからこそ,恐れと戒めに満ちた辞が書けたのである。#易経
【毎日易経】まさに叛こうとする者は,その辞慙じ,中心疑う者は,その辞枝る(繋辞下伝)人の言葉を考えると,今まさに背こうとする人は言葉が慙じらいがちだし,心中に疑念を抱く人は,言葉にあれこれと辻褄が合わなくなる。心中のやましさは言葉に表れるのでよくよく注意すべし,という。#易経
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