【本】『男の風格をつくる論語』
やっぱり『論語』
6月末にふと「論語普及会」の本部を訪ねました。
安岡正篤先生の『易学のしおり』という本を販売されているのを見つけたからだったのですが,買って帰りの電車の中で読み始めると,なんとそれは『易経講座』のもとになった講座の記録で,中身的にはほとんど読んだものでした。
でもそれはそれとして,「論語普及会」の本部が大阪にあるということも,『論語』に関連したさまざまな講座を開講されていることもついぞ知らなかったとは,不覚もいいところ・・・と思ったところでした。
そのことがきっかけで,少しあらためて『論語』を手に取ろう・・・という流れで買ったのが,この『男の風格をつくる論語』でした。
やっぱり『論語』に触れていなければ・・・と思ったからです。
伊與田先生のこと
著者の伊與田先生は,安岡正篤先生の高弟で,『論語』に関して言えば,7歳の頃から素読を始めて,ほぼ92年以上,一日として触れなかった日はないと話されています。
論語普及会が出している『仮名論語』を一字,一字,心をこめて書写されたのも伊與田先生です。
今回買った『男の風格をつくる論語』は昨年(平成26年),五回にわたって講演された内容をまとめられたものですが,講演録というのは,読んでいて染み渡る感じがあって非常にありがたい。
わかりますか?これでどう?こう言えばわかるかな?伝わるかな?という思いをこめて話してくださるのが,伝わります。読む方も「はい!(ここはキレ良く)」と思いながら,対話しながら読みます。
タイトルには・・・難あり
とはいえ,「男の風格をつくる」というタイトルは個人的には少し・・・女性の読者をあらかじめ遠ざけてしまうような感じがして残念な気がします。
というのも,本の中身が「男たるものかくあるべし」みたいな話では決してないからです。
孔子がどのような人であったか,その孔子が語り,その言葉をつむいでいった弟子たちはどのような人であったか。
そして『論語』とはどのような書物か。
そういうことを伝えた本であって,決して,女性が読んでダメなところはどこにもないからです。
『論語』をどのように読み,どのように理解し,どのように活かしていくのか。
心に染み入る優しい語り口調で,中身はもちろん厳しい諭しもありますが,そのような本です。
『論語』が気になっている方には,ぜひオススメです。
関連記事
-
-
【本】『あさきゆめみし』
期間限定無料のkindle版 「期間限定無料」というのにひかれてダウンロードしてみました。 高校
-
-
【本】『東京ラブストーリー After 25 years』
思いがけない単行本化 昨年1月下旬発売の『週刊ビッグコミックスピリッツ』に創刊35周年記念読切とし
-
-
【Kindle】Harry PotterとKindle
ハリーポッター熱再燃 毎年1回は何かしらで巡って来る「中つ国」熱に比べて,ハリーポッター熱は数年に
-
-
【本】『授業に生かすマインドマップ』
具体的にどう使うの? マインドマップが役に立つらしい… そういうことは耳にしたことがあっても,で
-
-
【本】『とっぴんぱらりの風太郎』
『とっぴんぱらりの風太郎』(万城目学著/文藝春秋) 「とっぴんぱらりのぷう」と言われても普通は
-
-
只管音読 國弘流英語の話し方
同時通訳の神様 國弘正雄氏の訃報に接して 同時通訳の神様と言われた國弘正雄氏がお亡くなりになりまし
-
-
【本】リサ・ランドール 異次元は存在する
NHK「未来の提言」から 2007年5月発売ですが,おそらく放送自体は2005年ではないかと思いま
-
-
【日常】平城京跡・奈良を散策してきました
今日は,マインドマップ仲間と,「とあるイベント企画」の下見に,奈良は平城宮跡に行ってきました
-
-
【本】『高い城の男』
もしも日本が戦勝国なら・・・ 第二次世界大戦が終了して70年という節目の時期に,「もしも日本が戦勝
- PREV
- 【本】『易聖・高島嘉右衛門 乾坤一代男』
- NEXT
- 【本】『高い城の男』
