【本】世界で一番素敵な 夜空の教室
一番明るい星ってどれ?
ずいぶんと更新をさぼっていました。
今日は久しぶりの投稿ですが,「星空」のお話を書いてみます。
学生時代,天文同好会というサークルに入っていました。
わたしは主には「惑星」の観測を楽しんでいました。
木星を望遠鏡で見て,その模様をスケッチするというものです。
アマチュアの集まりにその観測結果を報告をしたりもしていました。
社会人になって以降は,たまに双眼鏡で眺めて楽しむ程度になってしまっていますが,それでも,仕事帰りには必ず夜空を見上げています。
星空は本当に素敵な,素晴らしいものです。
でも意外に「楽しみ方」を知らない,知らされていないものでもあります。
冬の星空,今の季節では夜9時頃にもなれば東から南の空にたくさんの明るい星が輝いています。
どれが一番明るい星なんだろう?思ったことはありませんか?
夏の夜空なら「夏の大三角」など,「そういえば聞いたことあるよな」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな「星空」の素朴な疑問,楽しみ方を教えてくれる,素敵な「夜空の教室」の本が出ました。
素敵な写真が満載の,星空を教えてくれる本
その本は,「世界でいちばん素敵な夜空の教室」で,世界一に認定(2015年10月現在)されたという多摩六都科学館の天文チームが解説をつけた,星空写真集です。
最近は,画像加工,写真加工のソフトも技術も進歩したおかげで,「現実にはあり得ない」写真があちこちにあふれています。
そのこと自体を否定するつもりはありません。それも「表現」ですから。
ただ一方で,科学的な知識,写真の基本知識を知らない人には「月ってこんなに大きく見えるんだ」という「誤解」を植え付け,広めているようにしか思えないこともあります。
「それはアートであって,科学じゃないんだけどなあ」と思うことがあります。
アートと科学のどちらが優れているかどうかではなくて,「これはアートとして表現された写真」という区別がつかないことへの苛立ちみたいなのがどこかにずっとありました。
例えばですが,桜が満開の写真を見せられた時に,実はその桜の花は画像加工ソフトでたくさん咲いているように増やされたものだとか,実際には植わっていないところに木を増やしているとか,複数の写真を重ね合わせて作ったものだとわかったら,どう思うかということです。
「それはそれでアートだ」でいいのですが,「真実じゃない」というところです。
星の「アート写真」でも,「ないものを増やされると気持ち悪い」「そんなに大きくは見えない」という違和感です。
この本では,星景写真として素晴らしい写真がいっぱいです。
もちろん写真には,人間の目には見えない星もたくさん写っています。
より綺麗に見せるためのテクニックも使われています。
でも,そこには「実際の星空」があってのことで,だからこそ見ていて安心感があるのです。
冒頭に書いた「一番明るい星はどれ?」という質問の答えももちろん解説されています。
個人的には…15年ほど前にものすごく楽しみにして訪れたものの,土砂降りの雨で星空をちっとも楽しめなかった「テカポ湖(ニュージーランド)の星空が「夜空が一番キレイな場所」の代表例で紹介されているのが悔しい・・・(笑)
オーロラの写真も!その撮影者は・・・?
私が学生時代に天文同好会に所属していたのは冒頭に書きましたが,実はこの本の中に,その時の仲間の撮影した写真が2枚も掲載されているのです。
とっても素敵なオーロラの写真です。
オーロラ見に行ってたのか!羨ましいぞ!
そのうちの1枚は扉写真にもなっています。本人も知らず,サプライズだったとか。
ぜひご覧になってください。
私は,この本を読んでいるうちに,久々にゆっくりと星を眺めたくなりました。
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