【易経・本】『易を読むために』
『易を読むために 易学基礎講座』(黒岩重人著・藤原書店)
試しに「易経」をキーワードにAmazonで検索してみると449件と出ました。中には同じ本や古くて絶版になっているものもありますので,これが実数ではありませんが,「易」「易経」に関する本は山のようにあります。
ただ,「易占」に関わるものも少なくありません。この本にも易の持つ2つの側面が説明されてありますが,もっぱら「易=占い」というイメージの方が強い中,易が古来受け継がれてきた,思想としての易,そして実学としての易という側面を学ぼうと思った時に良い本となると途端に「良書」が減ります。
先人の書かれた本が「ダメ」ということではなく,入門書としては難しいものが多いということです。
「易経」の本文を読もうとして,いきなり岩波文庫の「易経」を読むと,何のことだかさっぱり分からないでしょう。朝日選書の「易」は詳しくなりますがボリュームもあるので最後まで読み通せるかというと…気合いが要ります。
そういう中で,この本は,ある程度「易」を真面目に学びたいと思っている人が,それなりに詳しい本に当たる前に,一通り易の全体像をつかんでおきましょうというのにはピッタリの本です。
易の全体像,予備知識,64卦を序卦伝を膨らませることで概要をつかませ,易の用い方,易を摂受してきた歴史まで全体をちょうどいい分量で書き切っています。
初めて易に触れる人にとっては難しいこともあるかもしれないけど,序卦伝のところは2回ほど通しでざっと読んで全体をつかんで,それから詳しい解説書に当たってみることをお勧めします。
きっと易の生き生きとしたところが感じられることでしょう。
3,000円超の本なので「手軽」では決してありませんが,しっかり取り組みたい方にはお勧めできます。
関連記事
-
-
【本】リサ・ランドール 異次元は存在する
NHK「未来の提言」から 2007年5月発売ですが,おそらく放送自体は2005年ではないかと思いま
-
-
【本】『人生と陽明学』
安岡正篤活学シリーズ PHP文庫の活学シリーズの第2弾に当たるのが,この『人生と陽明学 (PHP文
-
-
【易経】易が持つイメージ力のすごさ
このブログを作った時に最初に用意したカテゴリーが, マインドマップ 日常 易経・易学 映
-
-
【本】『易断に見る明治諸事件』
「鉄道の日」に易聖を偲ぶ 今日,10月14日は「鉄道の日」 明治5年に,新橋駅と横浜駅間で鉄道が
-
-
【本】「ラジオ番組表・2015春」
ラジオ雑誌を買ってみた ラジオ関連の雑誌は,機器類に関するマニアックなものが多い,という印象なので
-
-
【本】『黄小娥の易入門』
易占入門の大ベストセラー 最初,昭和36年(1961年)に発売されて,大ベストセラーとなった本のリ
-
-
【本】新体系・中学数学の教科書(上・下)
算数から数学へ 私は今,RAKUTOという学習塾で子供達を相手に授業をしています。 子供
-
-
【Amazon】Kindleの新モデル
一度使うと手放せない 日本向けのKindleが発売されてすぐは品薄で入手困難でしたが,しばらくして
-
-
【毎日易経】『繋辞伝』音読(2014.10.23〜11.26)
『易経』音読 Twitterまとめ 気がつけば毎日の『易経』音読も3周回ったのですが,昨年10月下
-
-
【本】『考える鉛筆』
やっぱり鉛筆が好き 文房具好きにも色々なタイプがあって,なんでも好きという人から,特定の分野にこだ
- PREV
- 【ラジオ英会話】2014.4.1
- NEXT
- 【NHKラジオ英会話】2014.4.2
