【本】『春画入門』
「春画展」〜見逃せない美術展〜
昨年の秋,東京の永青文庫にて「春画展」が開催されました。
春画は,江戸時代に誕生した,日本が世界に誇る芸術です。
海外では非常に評価高かったものの,これまであまり表立って鑑賞するということはありませんでした。
そんな春画をテーマにした展示ということで大きく話題になりました。
関西にも来てくれないかなあ…と思っていたところ,その願いがかない,なんと京都で開催されるという情報が!
「春画展」京都細見美術館にて開催中 ←リンク貼ってます
いくつか本で見たことはあっても,本物を見たことはなかったので非常に楽しみにしていた展覧会でした。
予習しておくとさらに楽しめる!
行く直前ですが,「これを読んでおくといいらしい」という情報をもらいました。
『春画入門 (文春新書)』です。
浮世絵の基礎から春画の見方,春画を楽しむツボをコンパクトにまとめてくれています。
届いたのが見に行く前日の夜だったので,半分ぐらいまでしか読めませんでしたが,それでも実にいい予習になりました。
春画の中で使われている様々な技巧の解説のために紹介されている春画が,実際に展示されているものとほぼ一致するので(一部,会期の都合で違うものもあるようです),目の前に見ながら「そういえば,この春画のここにすごい技巧があったんだよな」と思いながら見ることができました。
難を一つ言えば,新書サイズなので絵が少々小さくて見づらいというのはあります。
しかしながら,これが少しサイズの大きな本になるととたんに値段が上がってしまい,手軽には買えなくなるので,ここは「入門」と割り切った方がいいかもしれません。
興味を持ったらさらに大きなサイズの画集を買うというのもいいでしょう。
私は展覧会の図録(会期中,美術館内のみの販売。税込み4000円)を買いました。
性をおおらかに楽しむ 〜人ってすばらしい〜
江戸時代の艶本と呼ばれるものは,学生時代に授業の関連で手に取ったことはあります。
(じっくり読むというのではなくて,ある単語の使用例がないかを探すために「人間検索ロボット」と化して,ひたすら本文を見ていくという作業。25年前はそんなものだったのです)
それでも,時々面白いものがあると手が(目が?)止まって,ついつい読み込むことも。
性が淫靡で隠れたものじゃなく,おおらかに楽しんでいるようすがわかり,人々の活き活きとした生活が伝わる印象がありました。
春画もそのような人々の心を映し,今の時代に伝えてくれています。
京都での展示は4月10日まで。お近くの方は是非足を運んでください。必見です。
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