【本】『易入門』
『易』の二面性
『易経』には二つの側面があります。
その成り立ちの本来の姿というべきか,「占いの書」としての側面。
そして,リーダーたるものが身につけるべきものとしての「哲学的」な側面。教養であったり,徳であったりという言い方もいろいろありますが,ようするに啓発の書です。
私が『易経』に引かれているのは,「なるほど,人生のさまざまな問題について,ここにどのように対処すべきか,どのように気をつけるべきか,日頃からどのような心構えが必要か,全てかかれてある」と思ったからですが,どちらかというと「義理の書」,啓発書としてでした。
深く理解したいと思ったら・・・
易聖と呼ばれた高島嘉右衛門の生涯について知ると,「易占」の側面の重要性をあらためて感じるようになりました。
やはり元が占いの書だったのですから,卦辞にしても爻辞にしても,全てその観点からの解釈がベースにならないといけません。
当たり前といえば当たり前のなのですが,そのことにあらためて気づくと,『易占』についても勉強しなければ,という気になりました。
正しい易占いとは
とはいえ,「易占」に関する本はたくさんあります。どちらかというと「どんな方法で占うか?」ということに主眼が置かれているように感じます。
今回読んだ『易入門―正しい易占いの要領』は,昭和の易聖と呼ばれた加藤大岳の流れをくむ柳下尚範によって書かれていて,『易占』を研究するならここから・・・ともいうべき『易学大講座』のエッセンス版という印象も感じました。
各卦の卦辞,爻辞については簡潔にまとめられているので,ある程度「易経」についての一通りの知識がついてから読むと,ものすごくコンパクトなのに重要なエッセンスが入っているのに気づくでしょう。
なんども繰り返し読み,手元に置いておくといい感じです。
次に加藤先生の『易学大講座』をしっかり読む・・・という方にもお勧めできます。
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