【本】『春秋左氏伝 ビギナーズクラシック』
『易経』を学ぶなら外せない古典
『易経』が,本来は「占筮の書」であることは誰しもご存知でしょう。
その『易経』が実際にどのように占われてきたのか,どのような結果をもたらしてきたのか・・・ということを教えてくれるのが歴史書です。
中でも『春秋左氏伝』は,易の本を読むと「左氏伝ではこのような占例がある」と紹介されています。
ということで,『易経』をもっと立体的に理解しようと思うと外せない古典なのが『春秋左氏伝』です。
買ってはみたものの
さて,この『春秋左氏伝』ですが,買ってみたものの出てくる国も多く,しかもその時々で同盟していたり,敵対していたりで,なかなか本文を理解するのは難しい。丁寧に読めばいいのですが,分量も相当あるので,なかなか読み進まないのもじれったく感じます。
そんなときにふと目に止まったのがこの『春秋左氏伝 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫)』です。
まずこれで全体像を掴んでからもう一度読み直してみるといいかも,と思ったのです。
ビギナーズクラシックとは言うが「簡単」ではない
Kindle版で310円(2015年8月現在)ということもあって,早速ダウンロードして読み始めてみました。
「ビギナーズクラシック」シリーズがどの程度のレベルの読者を想定しているのかはわかりませんが,言うほど「簡単」には書いてありません。
結構難解なところは残ります。
ただ,『春秋』という書物の記録から何をどう読み取るのか,ということについての着眼点の解説は有益でした。わざわざ書いてある,記述して残したってことはそこに意味があるから,ということはあらためて「ははあ,なるほど」と感じるところでした。
そこから解釈を深める読み方が生まれたのだということのようです。
ゆっくり読み直す
『三国志』の中でも筆頭人気武将の関羽が愛読したと言われる『春秋左氏伝』。
読んでみると,当時の中国における価値観であったり,ものの見方であったり,出来事の詳細な理解であったり,さまざまな知識が詰まっているのがわかります。
私にとっては『春秋左氏伝』を学ぶことが目的ではないので,ゆっくり全体をつかむような読み方で,少しずつ読み進めたいと思っています。
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