【本】『黄小娥の易入門』
易占入門の大ベストセラー
最初,昭和36年(1961年)に発売されて,大ベストセラーとなった本のリバイバル本。
とはいえ,中身をそのまま焼き直しただけではなく,ちゃんと著者に連絡を取り,一部の表現を改めつつ,新装本として出版されている(根本的なところは特に変わっていないようす)。
「コイン6枚で誰でも占える」という手軽さ,敷居を低くしたことで人気を博したのだろう。
入門中の入門という印象
確かにわかりやすい。その卦が意味しているイメージ,全体像は掴みやすく書かれている。
「このような占断をしたことがある」という具体的な記事も興味深い。
しかし,卦辞,爻辞がほとんど載っていないので,この本だけで占おうとすると,筆者の提示したイメージの範囲内でのみの占断しかできない。
「それはそれでいい」という割り切りの本と思えば,よくできた入門書とは言えるでしょう。
この本をきっかけに易に興味を持った人もたくさんいたでしょうし。
さっと全体をつかむのにはいいけど,それまでかなあというのが今の印象。
これで占うのは実際には相当難しい気がします。
この本で全体をつかんだら,『易入門―正しい易占いの要領』を読んで,ビシッと仕切りなおすのがいいように感じます(私は逆でしたが)。
関連記事
-
-
【本】『考える鉛筆』
やっぱり鉛筆が好き 文房具好きにも色々なタイプがあって,なんでも好きという人から,特定の分野にこだ
-
-
おとなの塗り絵の楽しみ
噂には聞いていたけれども… 「大人の塗り絵」というフレーズを耳にするようになったのは,何年ぐらい前
-
-
【本】『論語に学ぶ』
心の軸がぶれる感覚 人というのは弱いもの・・・だと私は思います。 楽したいという気持ち,遊ん
-
-
【本】『東京ラブストーリー After 25 years』
思いがけない単行本化 昨年1月下旬発売の『週刊ビッグコミックスピリッツ』に創刊35周年記念読切とし
-
-
【毎日易経】『繋辞伝』音読(2014.10.23〜11.26)
『易経』音読 Twitterまとめ 気がつけば毎日の『易経』音読も3周回ったのですが,昨年10月下
-
-
【絵本】『りんごかもしれない』
親父の一言 「なんかマインドマップに近いもんがあるんちゃうか?」と親父がいきなり切り出したのが,「
-
-
【本】『オロビアンコの奇跡』(追記あり)
赤・白・緑の目を引くリボン いわゆる「ブランドもの」については,自分の好きな分野に関してはとことん
-
-
【本】韓非子 ビギナーズ・クラシック
名前だけは知っている 古代中国の春秋・戦国時代に様々な学者が現れ,それぞれの考えを大いに喧伝しまし
-
-
【中つ国】『指輪物語』の原書コレクション
60th記念版 『指輪物語』原書 映画『ロード・オブ・ザ・リング』が公開されてもう10年が経ちます
-
-
【本】『デジタルマインドマップ超入門』
TLI(ThinkBuzan公認インストラクター)仲間で,最もiMindMapに造詣の深い金子さんが